アトピー性皮膚炎の重症度と皮膚バリア機能障害は、食物感作を予測する

アトピー性皮膚炎の重症度が食物アレルギーや気管支喘息のリスクを高める

アトピー性皮膚炎のお子さんが病院を受診された初診時に、皮膚の状態を見て、この子はかなりの感作状態にあると予測しながら検査をすすめることがあります。

■ そこで、今回考えているテーマに近い論文が、IAAIという医学雑誌に掲載されていましたので共有させていただきたいと思います。

 

 

Tran NLH, Ly NTM, Trinh HKT, Le MK, Vo NVT, Pham DL. Prediction of Food Sensitization in Children with Atopic Dermatitis Based on Disease Severity and Epidermal Layer Impairment. International Archives of Allergy and Immunology 2023:1-13.

アトピー性皮膚炎を持つ12~60ヶ月の小児100名を、アトピー性皮膚炎の重症度(SCORAD)31種類の食物アレルゲンに対する血清特異的IgE抗体を測定し、TEWLと角層水分量との関連を評価した。

はじめに

■ アトピー性皮膚炎(AD)は、皮膚バリア機能障害を特徴とし、食物アレルゲン(FA)及び/または吸入アレルゲンに対する感作と関連し、ADの重症化に寄与する可能性がある。
■ しかし、AD患者における食物感作性(FS)の評価に関する臨床的指針はまだ確立されていない。
■ 本研究では、ADの重症度と皮膚バリア機能障害が食物過敏症とどのように関連しているのか、そして、AD患児における食物過敏症の予測可能な因子について検討を行った。

方法

■ 本横断研究では、ADと診断された小児100名(12~60ヶ月)を対象にした。
■ ADの重症度はSCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)で評価した。
■ FSは、イムノブロット法により31種類のFAに対する血清特異的IgE抗体を測定することで評価した。
■ 皮膚バリア機能障害は、経皮水分蒸散量(TEWL)と角層水分量(SCH)レベルの測定により評価した。

結果

■ 参加した小児の90%が少なくとも1種類のFAに対して感作しており、牛乳、卵白、牛肉、アーモンド、卵黄、ピーナッツが最も一般的なアレルゲンだった。
■ 中等症から重症ADの児は、軽症AD児に比べてSCHが低かった。
■ 10種類以上のFAに感作されたAD小児は、1~4種類、5~10種類のFAに感作された小児と比較して、TEWLが有意に高く、SCHが低かったことが判明した。
■ 湿疹のある皮膚でのSCORADスコアとSCHは、AD児におけるFA感作の中等度の予測因子だった。

結論

■ FSはAD小児に頻繁に見られ、ADの重症度や皮膚バリア機能障害と密接な関連がある。
■ FSの評価は、特に中等症から重症AD児やSCHが低い小児において重要である。

 

 

※ 論文の背景とその解説・管理人の感想は、noteメンバーシップでまとめました。

 

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