ピーナッツアレルギーは、ピーナッツが1回気道暴露するだけで発症に関係しうるかもしれない

経皮感作だけでなく、『経気道』感作も起こりうる?

「経皮感作」という言葉は、多くの人に知られるようになりました。

■ しかし、感作のルートとして、他にも『気道』が考えられます。

■ 最近のマウスを使った実験では、ピーナッツを経気道で吸入させると、場合によっては1回の摂取だけでピーナッツアレルギーを引き起こす可能性があるとの報告があり、共有いたします。

 

※ピーナッツの早期摂取については、特に乳児期には、粒のまま摂取すると気道異物のリスクがあるため、摂取を開始する際は医師の指導が必要です。この情報は、あくまでマウスを使った実験の結果に基づいています。

Smeekens JM, Immormino RM, Kesselring JR, Turner AV, Kulis MD, Moran TP. A single priming event prevents oral tolerance to peanut. Clin Exp Allergy 2023; 53:930-40.

C57BL/6Jマウスに対して、気道からピーナッツ+アジュバントに1回吸入させたあと、ピーナッツを気道曝露または低用量経口曝露し、ピーナッツアレルギーを評価した。

背景

■ 室内塵(ID)は、ピーナッツに対する気道感作を促進するピーナッツタンパク質や免疫刺激性アジュバント(例:LPS)の供給源である。
■ この研究の目的は、ピーナッツおよびアジュバントへの1回の気道曝露が経口耐性の予防に十分かどうかを明らかにすることである。

方法

■ C57BL/6Jマウスに対して、1回のプライミングイベントの効果を調査するため、気道からピーナッツ+アジュバントに1回曝露した後、ピーナッツを気道曝露または低用量経口曝露し、ピーナッツアレルギーを評価した。
■ 経口耐性は、高用量のピーナッツ摂取後の気道感作を通じて調査した。
■ 1回のプライミングが経口耐性の予防に効果があるかを検証するため、ピーナッツ+アジュバントへの1回の気道曝露後に高用量のピーナッツ摂取を行った。
■ ピーナッツ特異的IgEおよびIgG1を定量し、マウスにピーナッツを摂取させてアレルギー反応を評価した。
■ さらに、気道プライミング後の縦隔リンパ節において、ピーナッツ特異的CD4+メモリーT細胞(CD4+TCRβ+CD44hiCD154+)を定量した。

結果

■ LPSまたはIDとともに気道からピーナッツに曝露されたマウスは、その後の低用量経口曝露または気道曝露により、ピーナッツアレルギーを発症するようにプライミングされた。
■ 気道感作前に高用量のピーナッツを摂取したマウスは、経口耐性が誘導された。
■ 一方、ピーナッツ+アジュバントへの1回の気道曝露後に高用量のピーナッツを摂取したマウスはアレルギー反応を示した。
■ ピーナッツ特異的CD4+メモリーT細胞は、ピーナッツ+アジュバントによる1回の気道プライミングから7日後に検出された。
■ プライミング後1日でもピーナッツ摂取を遅らせるとアレルギーを発症し、プライミングと同日にピーナッツ摂取を行うと免疫寛容が誘導された。

結論

■ ピーナッツ+アジュバントへの1回の気道曝露は、その後の高用量経口曝露によるアレルギー発症の免疫プライミングに十分であることが示された。
■ これらの結果から、非経口的なプライミングイベントによる感作を予防するために、早期にピーナッツを摂取することの重要性が強調される。

 

※ 論文の背景とその解説・管理人の感想は、noteメンバーシップでまとめました。

 

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