ピーナッツ経口免疫療法時のSustained unresponsiveness(SU)に関する初の報告

2017年11月14日

Vickery BP, et al. Sustained unresponsiveness to peanut in subjects who have completed peanut oral immunotherapy. J Allergy Clin Immunol 2014; 133:468-75.

初のSUに関する報告。

■ SUと言うのは、Sustained unresponsiveness(持続的な不応答性)と言われるもので、免疫療法後に、短期間摂取中止してもアレルゲンである食物を摂取することが許容できる状態を維持できることをいいます。

■ そういえば最近の紹介させていただいている論文が数年前のものが続いていました。最新のin pressを期待されている方がいらっしゃった場合は申し訳ありませんが、この研究も重要な報告と思います。

■ 最近多くUPしている食物アレルギーの予後に関してで、ピーナッツの経口免疫療法(OIT)のその後に関する論文です。

 

P: 米国の2施設におけるピーナッツOIT(oral immunotherapy; 経口免疫療法)pilot studyに参加した 1歳から16歳の39例中、プロトコールを終了した24例
E: 5年間のピーナッツOIT (最大量 ピーナッツ蛋白4000mg)終了後、1か月間ピーナッツ除去を行い再度ピーナッツ負荷
C: –
O: OIT後の耐性にどのような因子が関与するか

 

結果

■ ピーナッツ特異的IgG4を含むピーナッツ特異的IgGは、すべての参加者で増加し、ピーナッツ特異的IgE/IgG4比は、治療中に有意に低下した。

論文から引用。OIT中のピーナッツ特異的血清IgG、IgG4、IgE / IgG4比。IgG4を含むピーナッツ特異的IgGは、すべての参加者で増加した(図A)。ピーナッツ特異的IgE/IgG4比は、治療中に低下した(図C)。

 

OITを中止4週間後に、12人(per protocol 50%、またはITT 31%)がピーナッツタンパク質5000 mgおよびピーナッツバターのオープン経口負荷試験をパスした。Sustained unresponsivenessの達成は50%と考えられた。

■ 最も有意な耐性予測因子は特異的IgE/総IgE比だった(p=0.005)。

■ また、皮膚プリックテスト(SPT)径も有意に耐性率に影響した。

 

コメント

■ 食物アレルギーのOITに関して、脱感作(de-sensitization)と耐性(tolerance)は異なります。ただ、耐性に関し、どれくらい除去したら耐性といえるかが決まっておらず、ある程度除去してから負荷試験を行って確認するSUという概念がでてきました。

■ もし、OITを行って食べられる様になっても、患者さんに、「治ったとはまだ言えないので、継続して食べてくださいね」と伝えないと、「治った」と勘違いされて自由な摂取にしてしまうと、また摂取できなくなる児が出てきてしまいます。

■ 少なくとも年齢が高くなってからOITを行って脱感作状態に達しても、継続摂取を必要とすると考えられています。

■ しかし、「どれくらいの期間」「どれくらいの頻度で」「どれくらいの量」摂取を続ければ良いのかすら明らかではありません。

■ 実は、本邦は食物アレルギーの診療は先進国と言えます。まだまだ先は長いですし、簡単ではありませんが、少しでも予後が良くなるような研究成果を期待したいですし、それに少しでも貢献したいと思います。

 

* 2017/11/14 SUなどの情報を追加しました。

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