Chang HY, et al. Prenatal maternal distress affects atopic dermatitis in offspring mediated by oxidative stress. J Allergy Clin Immunol 2016. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27016803


児のアトピー性皮膚炎発症に、お母さんの気分の落ち込みが関与するかもしれないという報告です。


P: 二つのコホート試験COCOA(Cohort for Childhood Origin of Asthma and Allergic Diseases)、PSKC[Panel Study on Korean Children]に参加したそれぞれ973例、1531例
E: 母の出生前の悩み
C: -
O: 児のアトピー性皮膚炎発症

結果


アトピー性皮膚炎はCOCOAで30.6%(全追跡期間有病率)とPSKCで11.6%(5歳での年有病率)だった。
出生前の母の苦悩は、児のアトピー性皮膚炎のリスクを増大させた。
COCOAスタディ:
抑うつにおけるハザード比(HR)1.31(95%信頼区間[CI] 1.02-1.69)、不安に対する HR1.41(95%CI、1.06-1.89)だった。
PSKCスタディ:
苦悩に対するオッズ比1.85(95%CI、1.06-3.25)だった。
COCOAスタディにおいて、出生前の母の抑うつスコアも不安スコアも、児のアトピー性皮膚炎発症に関連があった(P < .001)。 出生前の母の苦悩はグルタチオンジスルフィドと胎盤グルタチオン比を減少させた(P = .037)。 特に、アトピー性皮膚炎を発症した群で、胎盤11b-水酸化ステロイド・デヒドロゲナーゼ2型レベルを減少させ(P = .005)で、1歳時のIgE値を上昇させた(P = .010)。

コメント


出産前の母の悩みは、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎発症率を上昇させるとまとめられます。
機序は、慢性のストレス・ステロイド値異常・活性酸素に関係する可能性がある(グルタチオンジスルフィドが活性酸素のようです)とされていました。
アンケート調査の中身を確認していませんが、くよくよしないということでしょうか。
しかし、親御さんは何かと悩むことが多いことも確か。このような結果が出ても、じゃあ悩まないようにしようとすることは難しいような気がします。
なお、抑うつ測定は、それぞれアンケート調査で行なわれており、COCOAスタディでは妊娠36週でthe Center for Epidemiological Studies-Depression (CESD)を、不安はthe State-Trait Anxiety Inventory-Trait subscale (STAI-T)を使用、 PSKCスタディでは、the Kessler Six-question Psychological Distress Scale (K6)を使用していました。

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