慢性特発性蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬増量は効果があるか?: メタアナリシスとシステマティックレビュー

Guillen-Aguinaga S, et al., Up-dosing non-sedating antihistamines in patients with chronic spontaneous urticaria: A systematic review and meta-analysis. Br J Dermatol 2016.[Epub ahead of print]

■ 慢性特発性蕁麻疹は、長期化するためQOLが大きく下がります。

■ しかし、抗ヒスタミン薬単剤標準量で奏功しない場合も多く、ガイドラインでは抗ヒスタミン薬の他剤変更や増量を推奨の一つとしていますが、エビデンスは不十分です。

 

P: 「慢性病患者、じんま疹、抗ヒスタミン剤」で検索 

 ランダム化、二重盲検、追跡損失に対して品質評価した15論文

E:  1) 抗ヒスタミン薬 種々の用量  

   2) 抗ヒスタミン薬高用量

C:  1) プラセボ  

   2) 抗ヒスタミン薬標準用量

O:  抗ヒスタミン薬の増量による効果

 

結果

抗ヒスタミン剤用量を増加して改善するrelative risk は、2.27(95%CI 1.68-3.06)だった。

■ 慢性特発性蕁麻疹患者における、抗ヒスタミン剤標準用量における反応率は38.6%(95%CI 34.7-42.7)だった。

■ 標準用量ではFexofenadine(商品名アレグラ)が58.47%(50.3-67.23)と、もっとも高い率で改善を示し、cetirizine(商品名ジルテック)の有効率はそれより低値41.98%(34.51-50.18)だった。

■ 標準量の抗ヒスタミン薬に対して奏功しなかった患者に対し、抗ヒスタミン薬を増量した場合の慢性特発性蕁麻疹患者の奏功率は、63.2%(95%CI 57-69.6%)だった。

 

コメント

抗ヒスタミン薬の増量は効果があると結論はできますが、論文の不均一性のため、メタアナリシスの最終的な結論を出すことはまだ難しいとされていました。

■ なお、Fexofenadine(商品名アレグラ)は海外では本邦と用法が異なる場合がありますので注意を要します(本邦60mg×1日2回、海外120-180mg×1日1回)。

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