慢性蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬、毎日内服?症状があるときのみ内服?

慢性蕁麻疹に対し、抗ヒスタミン薬を症状があるときのみに内服するか、それとも毎日内服するか。

■ 個人的に、慢性特発性蕁麻疹の方には症状があるときのみ抗ヒスタミン薬を内服するのではなく、『毎日』内服をすすめています。

■ しかし、このテーマに関しては、十分なデータはありませんでした。
■ そして最近、Allergy誌にこのテーマの検討が報告されました。

Weller K, Gimenez-Arnau AM, Baron J, Brehler R, Ferrer M, Groffik A, et al. Efficacy and safety of on-demand versus daily rupatadine in chronic spontaneous urticaria: A randomized trial. Allergy; n/a.

18歳以上の慢性蕁麻疹患者63人をルパタジン毎日内服群、症状があるときのみ(On demand; OD)群にランダム化し、UAS7が0になる率を比較した。

背景

■ 非鎮静性H1-抗ヒスタミン薬(nsAH)は、慢性自然じんま疹(CSU)の治療に最も一般的に使用されている薬である。
■ 多くの患者は、維持療法としてではなく、オンデマンド(OD)療法としてこれを使用している。
■ 本研究では、nsAHであるルパタジンのOD治療と連日の維持治療を比較し、ルパタジンの更新投与の有効性と長期的な疾患修飾効果の可能性を検討した。

方法

■ この多施設共同無作為化試験は、2週間のスクリーニング、8週間の二重盲検治療、6週間の無治療フォローアップ(OD可)から成った。
■ 成人患者は10mgのルパタジンOD群または10mgのルパタジン連日投与群に無作為に割り付けられた。
■ 4週目に完全な奏効が得られなかった患者は、ルパタジンの1日10mgから20mgに増量するか、偽薬を投与(ルパタジンOD10mgの患者の場合)された。

■ 主な目的は、フォローアップ終了時のCSUの疾患活動性を連日投与とOD投与で比較することだった。
■ さらに、ルパタジンの増量投与の有効性も評価した。
■ 主要アウトカムは、疾患活動性、CSUに関連するQOL、疾患のコントロールだった。

結果

■ 4週目に、連日治療群の疾患活動性とQoLは、OD治療群より有意に改善された。
■ ルパタジンの増量投与は平均疾患活動性を改善しなかったが、OD投与中の完全奏効者の数は5%から22%に増加した。

■ 追跡調査終了時には、OD治療群と連日治療群の疾患活動性の間に有意な差は認められなかった。

結論

■ ルパタジンの連日投与は、OD投与と比較して治療中のCSUの疾患活動性とQoLを有意に改善した。
■ しかし、ルパタジンの投与を中止した後の改善は確認されなかった。 これにより、nsAHの連日維持投与スケジュールの有益性が示唆された。

 

 

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