Amin P, et al. Optimum predictors of childhood asthma: persistent wheeze or the Asthma Predictive Index? J Allergy Clin Immunol Pract 2014; 2:709-15.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25439361
API(Asthma Predictive Index)は、小児気管支喘息を診療している先生方はよくご存じのことと思います。その後、修正APIなども発表されましたが、この報告はさらに新しいAPIとして、”ucAPI”を提唱しています。
P: Cincinnati Childhood Allergy and Air Pollution Study (CCAAPS)出生コホート試験で集められた589名
E: "University of Cincinnati API" (ucAPI)陽性
3歳時点での2回以上の喘鳴の既往
3つの大基準のうち1つ
1)両親の喘息
2)一つ以上のエアロアレルギー感作
3)湿疹の既往
3つの少基準のうち2つ以上
1)風邪罹患なしの喘鳴
2)医師診断のあるアレルギー性鼻炎
3)牛乳もしくは卵の感作
C: -
O: 7歳時点での慢性喘息を予測するか
結果
気管支拡張薬による≧12%のFEV1の変化もしくはメサコリン誘発試験(PC20≦4 mg/ml)を示すような、親から報告されたもしくは医師により診断されたものを喘息と定義し、7歳時点で、589人中103名(17.5%)が喘息と診断された。
3歳時点でucAPI陽性(aOR=13.3; 95%CI[7.0-25.2]; p < 0.01)と持続性喘鳴のフェノタイプ(aOR = 9.8[4.9-19.5]; p < 0.01)は、7歳の慢性喘息と有意に関連していた。
アレルギー性持続性喘鳴(aOR = 10.4[4.1-26.0]; p < 0.01)は、非アレルギー性持続性喘鳴(aOR = 5.4[2.04-14.06]; p < 0.01)より有意に喘息リスクと関連した。
コメント
上の図からも分かるように、本邦では卵や乳の感作は確認することが多くピーナッツは検査しない場合もあるでしょう。また過去1年間の2回以上の喘鳴のほうがリコールバイアスも少なそうです。日常診療ではucAPIのほうが使いやすい可能性がありますね。
なお、最初に少しふれたとおり、先行研究で、3歳時点のAPI陽性は、感度15-28%、特異度96-97%、陽性適中率(PPV)48-52%、陰性予測値(NPV)84-92%で6歳以上での医師により診断された喘息を予測します(Castro-Rodriguez JA. J Allergy Clin Immunol. 2010; 126(2):212–216. )。その後修正APIが報告されました(Crapo RO, Am J Respir Crit Care Med. 2000; 161(1):309–329.)。
いろんなスコアが乱立するには好ましくないかもしれませんが、日常診療に使いやすいほうがいいですよね。実際に認知と運用が広まるかどうかは、やはり先発が強いのでしょうけれども、、、