生後4週の血中好酸球数はその後のアトピー性皮膚炎発症を予測する

2017年5月23日

 

 

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 アトピー性皮膚炎発症を予測するマーカーに関しての情報は不足しています。
 そこで、乳児期のマーカーとして、皮膚バリア機能が注目されてきていますが、これは血液マーカーとして好酸球が使えるかもという報告です。

P: コホート試験における生後4週の559名と、生後7か月の467名のハイリスク乳児
E: 好酸球数白血球数中≧5%
C: –
O: アトピー性皮膚炎の発症を予測するか

 

結局、何を知りたい?

✅生後4週の好酸球数が、アトピー性皮膚炎の発症を予測するかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 生後4週の好酸球数は0.9%-15.1%(50%tile=4%)だった。
 生後4週の好酸球数高値(≧5%)は生後7ヵ月(p=0.007)、1歳(p=0.004)、2歳(p=0.007)、3歳(p=0.006)のアトピー性皮膚炎の発症と有意に相関した。

 生後4週の好酸球数高値(≧5%)のアトピー性皮膚炎発症の予測に関する陽性適中率(PPV)は23.9%、感度は52.3%、特異度は63.3%だった。
 また、ROC解析では、好酸球数4.5%がアトピー性皮膚炎発症予測に有意であることが示され、生後7ヵ月(OR=1.99、95%CI 1.22-3.25、p=0.005)、1歳(OR=1.65、95%CI 1.02-2.65、p=0.039)、2歳(OR=1.63、95%CI 1.04-2.55、p=0.033)、3歳(OR=1.63、95%CI 1.04-2.55、p=0.034)だった。
 一方、生後7か月の好酸球数高値(≧5%)はアトピー性皮膚炎発症予測に有意差を示さず、生後4週総IgE値>1.5kU/lも、生後7ヵ月(p=0.75; OR 0.90)、1歳(p=0.95; OR 0.85)、2年(p=0.81; OR 0.45)、3歳(p=0.85; OR 0.57)のアトピー性皮膚炎発症を予測できなかった。

 

結局、何がわかった?

✅生後4週の好酸球数が4.5%以上だと、それ以下に比較して生後7か月で約2倍、1歳で約1.7倍アトピー性皮膚炎になりやすい。

 

コメント

 

 生後1か月のアトピー性皮膚炎の発症予測マーカーとして、日常診療で用いることのできる好酸球が参考になるとまとめられます。

 ただ、生後4週の好酸球数≧5%と<5%群で、その後のアトピー性皮膚炎発症はそれぞれ、1歳で28.2%(好酸球数≧5%)vs16.9%(<5%)、3歳で36.1%(好酸球数≧5%)vs24.1%(<5%)とされています。

 差は明らかではでしょうが、臨床で使うには「将来アトピーを発症しますよ」と言えるほどの差とはいいがたい印象です。もっといいマーカーが欲しいですね。

 最近、経表皮水分蒸散量(TEWL)がアトピー性皮膚炎発症を予想するという報告もあり、これらも加味するといいのかもしれません。

 

今日のまとめ

✅生後4週の好酸球数は、その後のアトピー性皮膚炎発症を予想するが、感度特異度は不十分である。

 

* 2017/3/25,2017/5/23 フォーマットを修正しました。