Tuuli MG, et al. A Randomized Trial Comparing Skin Antiseptic Agents at Cesarean Delivery. N Engl J Med 2016; 374:647-55.
■ 一般的に帝王切開時の消毒はポビドンヨード(イソジン)が使用されるようです。
■ ただ、イソジンは乾くまで待たないといけないことや、児の甲状腺に影響を及ぼす可能性があります。
■ そこで、クロルヘキシジンで消毒できれば有用性があるといえます。
P: 2011年9月から2015年6月まで、計1147例の帝王切開を受けた妊婦
E: クロルヘキシジン+アルコール(70%イソプロピルアルコール+2%グルコン酸クロルヘキシジン))消毒 575例
C: ヨウ素+アルコール(72.5%イソプロピルアルコール+8.3%ポビドンヨード)による消毒 572例
O: 帝王切開後30日以内の術部の表在性・深在性感染に差があるか
結果
■ intention-to-treat解析において、クロルヘキシジン+アルコール群23例(4.0%)、ヨウ素+アルコール群42例(7.3%)で感染が発生し、相対危険度、0.55; 95%信頼区間、0.34~0.90; P = 0.02)だった。
■ 表在性感染率は、クロルヘキシジン+アルコール群3.0%、ヨウ素+アルコール群4.9%(P = 0.10)だった。
■ 深部感染率は、それぞれ1.0%と2.4%だった(P = 0.07)。
■ 皮膚の有害反応の頻度は同程度だった。
コメント
■ クロルヘキシジンはヨウ素とは異なり、有機物質によって不活性化されず、処置後の外科的切開までの待ち時間を必要としないことが利点として挙げられていました。
■ さらに術後感染が少ないのであれば標準的な消毒法になっていくのかもしれませんね。