ハッショウマメ負荷によるアトピー性皮膚炎の診断: 症例対照研究

2017年6月3日

Hawro T, et al. Skin provocation tests may help to diagnose atopic dermatitis. Allergy 2016. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27472813

 


今回は、アトピー性皮膚炎の診断に関する研究です。

アトピー性皮膚炎は臨床診断(医師による判断)である部分が大きく、客観的な判断基準に乏しい側面があります。

ハッショウマメというのは私は不勉強で知りませんでしたが、かゆみの誘発モデルとして確立されているそうです。

アイキャッチの画像はハッショウマメではありません。念のため。


 

P: アトピー性皮膚炎患者22例(女性12名、年齢中央値30歳[20-42歳]、SCORAD 平均34.4±14.6)と健常ボランティア18例(女性8名、年齢中央値29歳[21-41歳])

E: 40-45個のハッショウマメ針状体を前腕掌側皮膚3cm2に塗布  

 10mg/mlのヒスタミン二塩化水素化物をハッショウマメと逆の前腕掌側で検査

C: 陰性対照

O: 負荷後、30分間毎分のそう痒感(100mmのVisual analog scaleで評価)  

  負荷後 20、40、60、90、120分後の丘疹と発赤

 

結果

アトピー性皮膚炎患者は健常対照者と比較し、ヒスタミン誘発性の発赤が有意に小さく(P < 0.01)、ハッショウマメ誘発後の掻痒の誘発と持続がより長時間だった(P < 0.01)。

両パラメータは、アトピー性皮膚炎診断に対するROCの局面下面積がそれぞれ0.78、0.80だった。 ハッショウマメによって誘発されたかゆみの持続時間が少なくとも30分間、ヒスタミン誘発性紅斑が直径2cm未満は、アトピー性皮膚炎診断の信頼性が高く、両方を満たす場合、アトピー性皮膚炎診断の感度と特異度は91%、94%だった。

 

コメント

熱帯マメ科植物であるハッショウマメ(Mucuna pruriens)は、プロテアーゼを含有しており、皮膚誘発試験として、ヒスタミンから独立したかゆみ誘発モデルなのだそうです。アトピー性皮膚炎の診断補助になるマーカーの文献を探していて、たまたまAllergyのEarly Viewで見つけた研究結果ですが、一般臨床には使えなさそうですね。でも、ハッショウマメなるものを知ったのは収穫でした。