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Arican P, et al., Efficacy of Low-Dose Corticosteroid Therapy Versus High-Dose Corticosteroid Therapy in Bell's Palsy in Children. J Child Neurol 2016.[Epub ahead of print]

ベル麻痺は、顔面神経麻痺で発症する小児でも見られる疾患で、一般小児科医でも時折遭遇します。

■ 治療はアシクロビルやステロイド薬が用いられますが、治療に使われるステロイド(プレドニゾロン)の投与量は1~2mg/kg/日になっています。

■ 今回提示するのは、プレドニゾロン1mg/日がいいのか、2mg/日がいいのかを後ろ向きに確認した研究結果になります。

 

PECO
P: 0~18歳歳のベル麻痺と診断された小児88例 (女児52例[59%]、年齢中央値11歳[iqr7-14歳])
E: 経口プレドニゾロン 2 mg/kg/日×5日間→10 日間の減量期間 53例
C: 経口プレドニゾロン 1 mg/kg/日×5日間→10 日間の減量期間 35例
O: 治療の最初、3ヶ月、6ヵ月の回復率(House-Brackmannグレードスコア)

 

ベル麻痺に対し、プレドニゾロン1mg/kgと2mg/kgで有効性に差があるかどうかを調査した。

■ ベル麻痺の重症度、性別、年齢に二群間の差はなく、左側47例(53%)、右側41例(47%)だった。

アシクロビル投与と家庭での運動プログラムも併用され、MRIは全例で実施された。

■ 症状発現後、51%の患者は24時間以内、35%は48時間以内、14%は72時間以内に治療開始した。

1ヵ月間の治療後、2mg群は15例(43%)、1mg群は24例(45%)が完全に回復し、2mg群の20例(57%)、1mg群の29例(55%)が部分的に回復し、二群間に有意差は認められなかった(p>0.05)

■ 3ヵ月間の治療後、2mg群は23例(66%)、1mg群は42例(79%)が完全に回復し、2mg群の12例(34%)、1mg群の11例(21%)が部分的に回復し、やはり二群間に有意差は認められなかった(p>0.05)。

■ 6ヵ月間の治療後、2mg群は27例(77%)、1mg群は46例(87%)が完全に回復し、2mg群の15例(17%)、1mg群の7例(13%)が部分的に回復し、やはり二群間に有意差は認められず(p>0.05)、全体の73例(83%)が完全に回復した。

 

ベル麻痺に対する治療は、プレドニゾロン換算1mg/日でも、2mg/日でも回復率に差がない。

■ ベル麻痺は、1~15歳歳の小児においても年間100000人につき約6.1例発生する急性・片側性の末梢麻痺とされています。

ステロイドの推奨用量は、プレドニゾロン換算1~2mg/kg/dになりますが、1mg/日でも、2mg/日でも回復率に差がないという結果とまとめられます。

■ ステロイド全身投与に関し、なんとなく多めがいいのかなと思っていたので、こういった研究があると1mg/kgでよいのだなと思えます。有意差はありませんが、完全回復率はむしろ1mg/kg群のほうがいいのも印象的ですね。

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