Thacher JD, et al. Mold and dampness exposure and allergic outcomes from birth to adolescence: data from the BAMSE cohort. Allergy 2016.[Epub ahead of print]
真菌(カビ)は喘息に悪影響なのか?
■ 時間がなくてAbstractのみの確認ですが、きれいな結果ですので問題ないかと。
■ カビは、環境抗原の中でも喘息の悪化に働くと考えられていますが、必ずしも臨床研究報告は多くありません。
■ あくまでアンケートからですが、カビと喘息・鼻炎の予後をみた報告です。
P: スウェーデンの出生コホート(BAMSE)から、カビもしくは湿気のアンケート結果を得た3798人
E: カビもしくは湿気 C: - O: 16歳までの喘息・鼻炎とIgE感作との関連はあるか |
結果
■ 感作は、3293人の血液サンプルを評価した。
■ カビまたは湿気への曝露は、16歳までの喘息(OR 1.31; 95%CI 1.08-1.59)と関連していた。
■ カビの匂い(OR 1.29; 95%CI 1.03-1.62と目に見えるカビ(OR 1.28; 95%CI 1.04-1.58)への曝露は鼻炎と関連していた。
■ 非アレルギー性喘息(OR 1.80; 95%CI 1.27-2.55)と鼻炎(OR 1.41; 95%CI 1.03.1.93)はリスク増加に関連した。
■ カビもしくは湿気は、IgE感作に関連しなかった。
■ カビもしくは湿気への曝露は、持続性喘息と関連していた(OR 1.73; 95%CI 1.20-2.50)。
コメント
■ 幼少時のカビまたは湿気への暴露は、特に16歳までの非アレルギー性の喘息や鼻炎のリスクが増加に関連するとまとめられます。
■ ベースラインのデータがアンケート結果からですので、ややエビデンスとしては弱いですが、貴重な報告と思います。