雷雨喘息のリスクになる因子はなにか?:TAISARスタディ

『雷雨喘息』という、オーストラリアのメルボルンでの事件で有名になった病態があります。

■ 豪雨があったときに急に悪化する喘息発作があります。

■ 「雷雨喘息(Thunderstorm-asthma)」と呼ばれており、花粉が雷雨によって湿気で破裂したり地上にたたきつけられて細かくなってちらばり、気管支に吸い込まれて発作が起こるのではないかと考えられています。

■ とくにオーストラリアのメルボルンでの雷雨喘息の事件は有名です(Bmj 2017; 359:j5636.)。

■ 数千人の急激な喘息悪化のうえ少なくとも9名以上の方が亡くなったとされています。

■ 以前、雷雨喘息で入院するリスクを検討したAllergy誌の報告をご紹介しました。

■ そして最近、季節性アレルギー性鼻炎のある場合の雷雨喘息のリスクを検討した報告がAllergy誌に公開されていました。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

オーストラリアのメルボルンにて、過去に雷雨喘息と診断され、かつ/または自己申告で季節性アレルギー性鼻炎と診断された成人を288人に対し、雷雨喘息の危険因子を検討したところ、

 ✅ FEV1低値とAsthma Control Questionnaireスコアが1.5より高いと、雷雨喘息で通院する群(H-TA)であるリスクが高くなった。

 ✅ 血中ライグラス花粉特異的 IgE抗体価、好酸球数、呼気一酸化窒素高値は、雷雨喘息の症状があるものの治療のための通院をしていない群(O-TA)、雷雨喘息で通院する群(H-TA)であることと有意に関連していた。

 ✅ 血中ライグラス花粉特異的 IgE抗体価が10.1 kU/Lより高く、気管支拡張前のFEV1が90%以下であると、H-TAのリスクが増加した。

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