乳児期のアトピー性皮膚炎と学童期の注意欠如・多動症(AD/HD)は関連しない: コホート研究

 

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■ アトピー性皮膚炎とADHD(注意欠如・多動症)との関連を指摘する報告があります。

■ しかし、機序もよくわかっていませんし、アトピー性皮膚炎が先なのかADHDが先なのかもはっきりしていません。

■ その関連に関して、最近新しい報告がありましたのでご紹介いたします。

 

P: スウェーデンの出生コホートに参加した小児3606人
E: 1、2、4、8、12、16歳時における、児の湿疹の存在(両親に対するアンケート調査で判定)
C: –
O: 学童期(10-18歳)にADHDに対する薬物療法を受けているか(スウェーデンのPrescribed Drug Registerで照合)

 

結果

■ 計1178人(32.7%)が就学前に湿疹に罹患しており(1、2歳、and/or 4歳の湿疹)、162人(4.5%)は学童期にADHDの薬物を処方されていた。

■ 就学前の湿疹は、学童期のADHD治療に関連していなかった(粗オッズ比1.16; 95%CI 0.83-1.61)

■ 就学前の湿疹と、学童期における抗抑うつ剤・片頭痛薬・抗てんかん薬の使用に有意な関連は認められなかった。

■ 乳児期の皮膚炎、学童期の湿疹、16歳までの湿疹は、学童期でのADHD薬物治療に関連しなかった。

コメント

■ 先行研究で、小児期の湿疹とADHDに関連が示唆されているのですが、機序やその順序(どちらが先か)は不明なままでした。

今回の結果は、大規模な分娩コホートにおいて、就学前の湿疹は、学童期のADHDに対する薬物治療・抑うつ/不安/恐怖症・片頭痛・てんかんに関連しなかったとまとめられます

■ この研究ではADHDが薬物療法を行われなかった場合はADHDではないとされてしまうので、Liminationとされています。しかし、ADHDと診断されたスウェーデンの児は、80%以上に何回かは薬物治療が行われるそうですので、取りこぼしは少ないようです。

■ 一方、2014年のシステマティックレビューでは、湿疹とADHDに正の相関があると報告し(OR 1.47-7.75)、「湿疹とADHDの間の正の関連がある」と述べられています(Allergy2014: 69: 37–45.)。

■ この違いが出た原因は、本研究での湿疹の定義が、先行研究より軽い症例を含んでいるからかもしれないと述べられていました。

■ そうすると、湿疹が重症であれば、ADHDと関連するということになります。今後の報告も見ていく必要がありそうですし、そうだとすれば湿疹ははやめに良くしていく必要があると言えるのかもしれません。

 

 

 

 

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