■ 以前、妊娠中の母の抑うつや不安は、児のアトピー性皮膚炎発症に関係するかもしれないという報告をご紹介しましたが、今回もその報告と近いと言えそうです。
妊娠中の母の抑うつや不安は、児のアトピー性皮膚炎発症に関係するかもしれない: コホート研究
P: Ulm SPATZ Health Studyにおいて、単生(双生児以上ではない)児934人の母
E: 出産時の母の不安・抑うつといった慢性ストレスと症状、毛髪中コルチゾル濃度(HCCs)626人
C:
O: 2歳までの児のアトピー性皮膚炎累積発症率に関連するか
結果
■ 2歳までのアトピー性皮膚炎発症は 親と小児科医による報告により判定された。
■ アトピー性皮膚炎症状のある167人に対し、皮膚科学的検査が205件実施された。
■ 母のストレスや不安は、児のアトピー性皮膚炎の累積発症率と関連し(慢性ストレス 上位1/4と下位1/4における相対危険度[RR] 1.5[1.0-2.3])、不安症状あり vs 不安症状がない母での補正相対危険度(aRR)は 1.4(1.0-2.0)だった。
コメント
■ 母のストレスは児のアトピー性皮膚炎症状と関連がある可能性があるとまとめられます。
■ ただし、まだその関連に対するエビデンスは限定されており、更なる研究を必要とするとされていました。
■ 最近、この種の報告が増えてきており注目されている関連性ではありますが、出産に先立ってお母さんは心配があるものです。この結果は必ずしも臨床にそのまま適応できるとは言えないと思いました。