いちご状血管腫にβブロッカー外用薬が有効? : 前後比較研究

Wang Y, et al. Efficacy and Safety of 2% Topical Propranolol Cream for the Treatment of Proliferating Infantile Strawberry Hemangiomas. Indian J Pediatr 2017. [Epub ahead of print]

プロプラノロール(ヘマンジオル)による血管腫の治療。

■ 以前、小児血管腫に対して、βブロッカー(プロプラノロール)は乳児血管腫に効果的という報告をご紹介いたしました。

βブロッカー(プロプラノロール)は乳児血管腫に効果的: ランダム化比較試験

■ そして、プロプラノロールは内服薬剤(商品名ヘマンジオル)として使用できるようになりました。

■ 内服薬剤でも副作用が必ずしも多いわけではなかったのですが、皮膚の治療としては、もし外用薬で効果があれば、より副作用が少なく心配も減るはずです。

■ 前後比較研究で、まだパイロット的な結果ではありますが、そのプロプラノロール外用の報告がありましたのでご紹介いたします。全文が手に入らなかったのでAbstractのみをまとめたのですが、先行情報としては良いかと思います。

 

P: 小児増殖性いちご状血管腫があり受診した計40人
E: 2%プロプラノロールクリーム 毎日3回塗布
C: -
O: 12ヵ月間の治療でいちご状血管腫が改善するか

 

結果

■ Scale 1(乏しい反応)2例、Scale 2(中等度の反応)15例、Scale 3(良好な反応)17例、Scale 4(優れた反応)6例だった。

■ 女性と男性、病変部位/サイズ、治療開始年齢それぞれにおいて、治療結果に有意差は認められなかった。
■ 明らかな副作用は認められなかった。

 

コメント

■ 2%プロプラノロールクリーム外用は、増殖性小児いちご状血管腫治療に安全かつ有効であると結論されていました。

■ もちろん対照のない前後比較研究ですので、さらにこの後の研究を要するでしょうが、おそらくいちご状血管腫以外にも適応できるであろう外用薬になる可能性を秘めているといえるでしょう。

 

 

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