乳児血管腫に対するプロプラノロール(ヘマンジオル)は、知能発達を阻害するのか?

González‐Llorente N, et al. Study of Cognitive Function in Children Treated with Propranolol for Infantile Hemangioma. Pediatric Dermatology 2017.[Epub ahead of print]

 ヘマンジオルには、潜在的に神経発達を阻害するという副作用が懸念されています。

■ 乳児血管腫に対する治療は、β遮断薬であるプロプラノロール(ヘマンジオル)がファーストチョイスになりつつあります。

■ しかし、一方でプロプラノロールが潜在的に神経発達に影響する可能性も指摘されています(Br J Dermatol 2015; 172: 13-23.)。

■ そこで、レトロスペクティブな研究結果ではありますが、その点を検討した報告を御紹介いたします。

 

 

 乳幼児期にヘマンジオルによる加療を受けた、現在5から7歳半の子どもの認知機能や記憶テストを評価した。

背景

■ 経口プロプラノロール(商品名ヘマンジオル)は、乳児期血管腫(IH)の治療のために第一選択と考えられる。

■ しかし、新生児と乳児に対するプロプラノロール投与は、長期的に学習や記憶プロセスに有害事象を誘発する懸念がある。

■ 本研究の目的は、それらの幼少期にIHに対するプロプラノロール治療を受けた小児で、認知および記憶機能を評価することだった。

 

方法

■ 幼少期にプロプラノロール治療を受けた、5~7.5歳計23人の小児は、ウェクスラー式幼児用知能検査(第4版)(WPPSI-IV)による認知機能、そして、記憶学習テスト(Test of Memory and Learning; TOMAL)による記憶機能に対する検査を受けた。

結果

■ Shapiro-Wilk W tesによる、我々の検体の分布と正規分布は有意差を示さなかった。

■ そして、1項目の非定型的にスコアが高値であったため、WPPSI-IV総合スコア(知能の平均)において、非対称であった(p = 0.01)が、これを除くとWPPSI-IVとTOMALの総合のどれも、有意差はなかった。

 

結論

■ この研究集団において、知能スコアや記憶スケールの分布は、参照一般集団と類似していた。

■ 本研究の結果は、IHに対するプロプラノロール治療を幼少期に受けた小児の知能や記憶発達において、有意の障害を起こすことを支持しなかった。

 

結局、何がわかった?

 ✅乳児血管腫に対するヘマンジオルには、その後の知能や記憶に影響するというエビデンスは認められなかった。

 

 

 ヘマンジオルが神経発達に影響するという証拠はなかった。

■ 今回の結果のみで結論を出すことはできませんが、ヘマンジオルの神経への影響似感しては、ひとまずは安心して使用してよいのではという結果でした。

 

 

今日のまとめ!

 ✅乳児血管腫に対する第一選択になりつつあるヘマンジオルは、潜在的に神経発達に悪い影響があるかもしれないという懸念があるが、この研究では否定された。

 

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