閉鎖型の経表皮水分蒸散量(TEWL)測定器は、開放型測定器の代わりになるか?

 

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 今回は少々マニアックな話かもしれません。

 経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss;TEWL)は、皮膚バリア機能を反映する重要なパラメータです。

 計測機器には開放型と閉鎖型があり、私も閉鎖型(今回紹介する論文に使われているタイプ)は使用経験があります。

 閉鎖型は持ち運びも簡単で小児に対しても使いやすい機械ですが、開放型がデファクトスタンダードであるようです。

 

P: 2013年10月から2013年12月にマラー医科大学病院(インド)でリクルートされた生後72時間以内の健常新生児104人+NICUに収容された新生児30人、成人40人
E: 閉鎖型TEWL測定器((VapoMeter)による測定
C: –
O: TEWLは、分娩方法・未熟児出生・低体重・光線療法で異なるか

 

結果

 測定室は65%から70%の相対湿度・28°Cの温度で維持された。
 TEWLは、閉鎖型計測器(VapoMeter; Delfin Technologies, Kuopio, Finland)で測定された。
 健常新生児と成人で、TEWLは、前腕掌側で測定され、NICUの新生児では、7箇所(額、前肘窩、腹部、背部、大腿、手掌、足底)で測定された。
 健常満期産児のTEWLは、、前腕掌側で13.4±5.7g/m2/hrであり、成人の同部位の測定値(10.3の±3.4 g/m2/hr)より有意に高かった(p = 0.002)。
 男児(13.5±5.7 g/m2/hr)の平均TEWLは、女児(13.3±5.7 g/m2/hr)と有意差はなかった(p = 0.85)。
 帝王切開児28人(13.4±4.6 g/m2/hr)と経膣分娩児76人(13.4±6.0)に有意差はなかった(p = 0.95)。
 健常早期産児26人(中央値34.7週)の平均TEWL(16.5±6.1 g/m2)は、満期産児(38-40週)より有意に高かった(p = 0.001)。
 低出産体重で健康な児21人(平均34.9週)の平均TEWL 17.3±5.7 g/m2/hrは、正常体重新生児(12.4±5.3g/m2/hr)より有意に高かった(p < 0.001)。
 7箇所の測定値を比較した場合、光線療法を受けた児の前肘窩のTEWLは有意に高かった。

コメント

 経表皮水分蒸散量(TEWL)は、汗をかいていなければ皮膚からの水分蒸散を示し、皮膚バリア機能を特徴づけるために最も重要なパラメータのうちの1つと考えられています。
 これまでの新生児・乳児のTEWLのデータは、開放型が使用されていました(Pediatr Dermatol 2013;30:712–716.)(Pediatr Dermatol 2014;31:191–195.)。

 閉鎖型TEWL測定器は、より優れているとは言えないまでも、より広く使われている開放型測定器の代替となるとまとめられていました。

 マニアックかもしれませんが、明日もTEWLの話題を続けます。

 

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