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 TARCは、アトピー性皮膚炎の重症度と関係し、すでに本邦では保険適応もおりています。

 すでにアトピー性皮膚炎の治療において、重要な位置づけになってきていますが、アトピー性皮膚炎以外の疾患に関係するかどうかは、十分に分かっているとは言えません。

 例えば、TARCが重症薬疹の場合にも大きく上がることを、最近ご紹介いたしました。

血清TARCは、重症薬疹(DIHS)の診断に役立つかもしれない

 では、重症薬疹以外の、他のアレルギー疾患に関与するのでしょうか。 

 

P: 2001年に6歳児に対して開始された石垣島コホート研究(Kyushu University Ishigaki Atopic Dermatitis Study ;KIDS)に参加した7856人のうち、2008年に血液サンプルが得られた743人
E: -
C: -
O: アトピー性皮膚炎(AD)関連のアレルギー疾患の発症率と危険因子

 

結局、何を知りたい?

✅ 血液バイオマーカーはアトピー性皮膚炎・それ以外のアレルギー疾患との関連はあるかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 KIDSコホートに参加した児の11歳までの平均年間アトピー性皮膚炎(AD)有病率は6.3%だった。
 食物アレルギーでは卵アレルギーが最も多く(67.1%)、卵アレルギー発症率は、男児5.3%、女児3.8%だった。
 総IgE値は、2-4歳の同じ年齢群では女児より男児でより高く、ADのある児において、併存疾患として気管支喘息(BA)があるときのみ、血清総IgEが高かった。
 AD児における卵アレルギーの併発リスクは、ADのない児より7.9倍高かった。
 ADの危険因子として、児の気管支喘息と卵アレルギー、父および兄弟のADは、統計的に有意だった。
 ADに罹患している男児は、血清総IgEが高値で、喘息の併存率が高かった。
 TARC/CCL17によって評価されたAD重症度は、卵アレルギーの有症率に関連していた。

 

結局、何がわかった?

✅ TARCが高い小児では、卵アレルギーの有症率が高いかもしれない。

 

コメント

 

 石垣島は、年間平均気温が24.4°C、湿度73.1%であり、東京の気温16.5°C、湿度60%より高い気候です。もともと、寒冷な地域のほうがアトピー性皮膚炎が多いことはわかっており、本邦ではアトピー性皮膚炎を発症しにくい地域といえましょう。
 AD児におけるTARC高値とEAの併発の関係性は、TARCがEAの増悪要因であるかもしれないことを示しますが、それが本当に影響している因子かどうかはわからないとされていました。
 また、児のBA+卵アレルギーと父および兄弟のADは、児のAD発症の有意な危険因子であったそうです。
 さらに、男児における高いBA発症率は、総IgE高値と一致しており、EAがAD重症度と関連していたとされていました。

 組み合わせによる検討が多く、ややこしいのですが、アトピー性皮膚炎とTARCは相関して、TARCが高い場合は卵アレルギーが多くなるかもしれない、とまとめられるでしょう。

 

今日のまとめ

✅ アトピー性皮膚炎とTARCは相関し、TARCが高い場合は卵アレルギーが多くなるかもしれない。

 

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