■ 抗ロイコトリエン拮抗薬が喘息に有効かどうかというタイトルですが、「そりゃ効くでしょ」と思いますよね?
■ それが、思ったよりメタアナリシスは少ないみたいで、今回インパクトファクターの高いJournalにメタアナリシスがでていたのを見つけたのでご紹介いたします。
E1: 抗ロイコトリエン拮抗薬(LTRA)
E2: LTRA+吸入ステロイド(ICS)
C: プラセボ
O: LTRAsの有益性や害は、プラセボより大きいか
結局、何を知りたい?
✅抗ロイコトリエン拮抗薬が成人喘息に効果があるかどうかを多くの文献をまとめて確認しようとしている。
■ LTRAのみによる6試験の結果、LTRAは増悪のリスクを低下させることが示唆された(summary risk ratio[RR]= 0.60、95%CI 0.44-0.81)。
■ 吸入ステロイド薬に追加したLTRAsの効果をみた4試験の結果は、増悪に対するsummary RRは 0.80(95%CI:0.60-1.07)であった。
■ LTRAは単独の治療として、または、吸入ステロイド薬への追加治療として有意にFEV1を増加させた。
■ LTRA単独治療のみ、予測FEV1 %は改善された。
■ 不都合なイベントの発生率は、介入群とコントロール群で同程度だった。
■ アウトカムの定義や相違、バイアスが高いこと、試験の不均一性、選択バイアスの可能性などがLimitationであった。
結局、何がわかった?
✅喘息に対し、抗ロイコトリエン拮抗薬は、単独では喘息増悪のリスクを6割にするが、吸入ステロイド薬への追加では改善の傾向はあるも統計的な差はなかった。
■ 単独療法としてのLTRAは、プラセボと比較して喘息コントロールを改善するとまとめられます。
■ しかし、追加治療としての効果が不十分である可能性があるとも言えます。
今日のまとめ!
✅抗ロイコトリエン拮抗薬(シングレアやオノンなど)は、成人・思春期の喘息に有効であるが、吸入ステロイド薬への追加効果は明らかではない。