吸入ステロイド薬+短時間作動性ベータ刺激薬(SABA)の合剤は、SABA単剤と比較して、重篤な喘息発作を減少させる

SABAやLABAの単独使用は、喘息発作予防にすすめられないが、吸入ステロイド+SABAの合剤であればどうか?

■ 短時間作動性ベータ刺激薬(SABA)の”単独の”濫用は、喘息死を増加させる可能性があります。

■ 一方で、吸入ステロイド薬単独+SABAによるレスキュー使用と、吸入ステロイド薬と長時間作動性ベータ刺激薬(LABA)の合剤シムビコートの比較試験では、シムビコートのほうが喘息発作を有意に減少させることが示されています( Hatter L, Bruce P, Braithwaite I, Holliday M, Fingleton J, Weatherall M, et al. ICS-formoterol reliever versus ICS and short-acting β2-agonist reliever in asthma: a systematic review and meta-analysis. ERJ open research 2021; 7.)。

■ 最近、NEJMに、吸入ステロイド薬とSABA(アロブテロール;商品名サルタノール)の合剤の大規模試験が報告されていましたので共有します。

 

■ 永田真先生にコメントを頂きましたので追記いたします。ありがとうございます!

 

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

吸入ステロイドを含む維持療法を受けている12歳以上のコントロール不良の中等症~重症喘息患者計3132人の患者を、アルブテロール180μgとブデソニド160μgの固定した量の合剤投与群、アルブテロール180μgとブデソニド80μgの固定した量の合剤投与群、アルブテロール180μg投与群にランダム化し、重症喘息発作イベントリスクを評価したところ、

 ✅ 重症喘息発作イベントのリスクは,高用量併用群のほうがアルブテロール単独群よりも26%有意に低かった(ハザード比,0.74;95%信頼区間[CI]0.62 ~ 0.89;P=0.001 ).

 ✅ 低用量併用群のハザード比は、アルブテロール単独群と比較して 0.84(95% CI 0.71~1.00; P=0.052)だった。

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