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Lee A, et al. Prenatal fine particulate exposure and early childhood asthma: effect of maternal stress and fetal gender. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2017.[Epub ahead of print]

 妊娠中のPM2.5曝露は、こどもの喘息発症に影響する?

■ 以前、大気汚染とこどもの喘息には関連があることをご紹介いたしました。

交通機関による大気汚染は、小児喘息の発症に関連するか?

交通機関による大気汚染は、アレルギーや呼吸機能低下に関連する: コホート研究

■ では、妊娠中に晒された場合はどうでしょう?

 

 こどもの喘息患者736人に対し、出生前の母親がストレスや大気汚染物質へさらされていたかどうかを確認した。

背景

■ こどもの喘息に対する、出生前の大気汚染の影響は、母親のストレス、児の性別、曝露量、時期によって変化する可能性がある。

 

目的

■ 小児喘息患者 736人に関し、直径2.5ミクロン未満粒子状物質(PM2.5)に対する出生前の曝露と、母のストレスの同時曝露が影響するかをプロスペクティブに検討した。

 

方法

■ 妊娠中の毎日のPM 2.5曝露は、妥当性が確認された衛星ベースの時空間予測モデルを用いて推定した。

■ 出産前の母親のネガティブなライフイベント(negative life events; NLE)は、中央値で二分された(高い=NLE≧3; 低い=NLE <3)。

■ 6歳までの小児喘息に関して、出生前のPM2.5曝露が影響しやすい時期を決定するためにBayesian distributed lag interaction models (BDLIMs)を使用し、母のストレスとこどもの性別による効果修飾を決定した。

 

結果

■ BDLIMは、重要な時期を特定した。すなわち、妊娠19〜23週に、妊娠中のストレスがあり出生前PM 2.5レベルが四分位(IQR; 1.7μg/ m3)増加するごとに児の喘息リスクが増加することを示した(cumulative OR = 1.15; 95%CI = 1.03〜1.26)

出生前のストレスが低い母親から生まれたこどもには、有意な関連は見られなかった

■ 出生前ストレスとこどもの性別の影響を調べると、出生前ストレスの高い母親から生まれた男児が最もリスクが高いことが判明した(妊娠19~21週の2.5PMが四分位[IQR]増加ごとにcumulative OR = 1.28; 95%CI = 1.15~1.41)。

 

結論

■ 特に、妊娠中のストレスにさらされたうえで、影響されやすい出生前の時期のPM 2.5曝露に対する曝露は、こどもの喘息のリスク増加と関連している。

 

結局、何がわかった?

 ✅妊娠19~23週に妊娠中のストレスが多い上でPM2.5にさられると、そのPM2.5濃度が高いほど、こどもの喘息発症率が高くなる。

 

 

 母親のストレス+PM2.5曝露が、こどもの喘息発症リスクに関わるかもしれない。

■ 母のうつ傾向が、アトピー性皮膚炎の発症にもかかわることを以前ご紹介いたしました。

妊娠中の母の抑うつや不安は、児のアトピー性皮膚炎発症に関係するかもしれない: コホート研究

■ 現実的には、妊娠中は心配事が多いものです。こういった結果があるから「心配してはいけない」という説明は的を射てはいないでしょう。

■ ただ、環境要因とストレスが同時にある場合が特にこどもさんの喘息発症に関わることは注目すべき結果と思います。

 

 

今日のまとめ!

 ✅妊娠中の母のストレスと妊娠中の大気汚染物質曝露は、こどもの喘息発症リスクを上げるかもしれない。

 

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