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Francis NA, et al. Oral and Topical Antibiotics for Clinically Infected Eczema in Children: A Pragmatic Randomized Controlled Trial in Ambulatory Care. The Annals of Family Medicine 2017; 15:124-30.

アトピー性皮膚炎の湿潤性湿疹には、多くは黄色ブドウ球菌が定着しています。

■ アトピー性皮膚炎の湿潤性湿疹局面には黄色ブドウ球菌が常在していること多く、アレルギーをさらに悪化させます。今回ご紹介されている検討は、Clinically Infected Eczema(臨床的に感染をきたしている湿疹と訳せましょう)が、このアトピー性皮膚炎の湿潤性湿疹のことを指しています。

■ では、そのアトピー性皮膚炎の湿潤性湿疹に、抗菌薬は有用なのでしょうか?ランダム化比較試験をご紹介いたします。

 

重症でない感染性の湿疹のある児113人を、①プラセボ内服+外用(対照群)、②抗生物質内服+プラセボ外用、③抗生物質外用+プラセボ内服群にランダム化して1週間投与し、2週間で湿疹の改善を評価した。

目的

■ 湿疹は細菌感染のために発赤することがあるが、抗生物質治療を支持するエビデンスは乏しい。

■ そこで、臨床的に感染性の湿疹のある小児に対し、保湿薬およびステロイド外用薬に加えて、経口抗生物質や抗生物質外用の効果を調査することを目的に検討した。

 

方法

■ 英国の外来診療のセッティングで、3群による盲検ランダム化比較試験を採用した。

■ 臨床的に重症でない湿疹のある小児を、抗生剤内服およびプラセボ外用(対照群)、経口抗生物質(フルクロキサシリン)およびプラセボ外用、抗生物質外用(フシジン酸)およびプラセボ内服群にランダム化し、1週間投与した。

■ さらに、共分散分析(ANCOVA)を用いて2週間後のPatient Oriented Eczema Measure(POEM)を比較した。

 

結果

小児113人(コントロール群40人、経口抗生物質群36人、抗生物質外用群37人)をランダム化した。

■ 試験開始時のPOEMの平均(SD)は、対照群で13.4(5.1)、経口抗生物質群では14.6(5.3)、抗生物質外用群では16.9(5.5)だった。

■ 試験開始時、104人(93%)が、滲出、痂皮、膿疱、疼痛という皮膚の所見を1つ以上有していた。

2週間後のPOEMの平均(SD)は、コントロール群が6.2(6.0)、経口抗生物質群で8.3(7.3)、抗生物質外用群で9.3(6.2)だった。

内服群もしくは抗生物質外用群のいずれも、POEMの平均(95%CI)に有意差を認めなかった(それぞれ1.5 [-1.4〜4.4]および1.5 [-1.6〜4.5])

■ 副作用に有意差はなく、有意な有害事象は認めなかった。

 

結論

■ ステロイド外用および皮膚保湿剤による治療に反応して速やかな改善を認め、抗生物質の経口または外用の追加は、臨床的に有意義な利点を認めなかった

■ 外来治療で見られる、臨床的に感染した軽症の湿疹を伴う児に対し、抗生物質による治療は必要としない。

 

 

結局、何がわかった?

 ✅感染をきたしているアトピー性皮膚炎の湿疹病変に対し、ステロイド外用+保湿剤に加えて抗生剤の外用or内服を追加しても、2週間後の改善に有意差はなかった。

 

 

 アトピー性皮膚炎の湿潤性局面に抗生剤は使用しなくて良いと考えられる。

■ 先行研究では、抗生剤を内服しても、その直後に細菌数が減少するものの一時的で、速やかにRecolonizationしたと報告しています(Boguniewicz M, Journal of Allergy and Clinical Immunology 2001; 108:651-2.)。

■ また、いわゆる消毒薬の効果も限定的であることは以前3回シリーズでご紹介したとおりです。

■ 私は、アトピー性皮膚炎が湿潤(じくじくしている)していても、抗生剤を併用することはほぼありません。むしろ、湿疹を改善させスキンケア指導を密にすることが多いです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅アトピー性皮膚炎の湿潤性病変に抗生剤内服や塗布を併用しても、2週間後の改善率に有意差はないようだ。

 

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