保湿剤のアトピー性皮膚炎に対する効果: システマティックレビュー

van Zuuren EJ, et al. Emollients and moisturizers for eczema: abridged Cochrane systematic review including GRADE assessments. British Journal of Dermatology 2017; 177:1256-71.

保湿剤のシステマティックレビュー。

■ 保湿剤に対するメタアナリシスやシステマティックレビューに関し、いくつかの報告をご紹介してきました。

■ それらよりも臨床に応用しやすそうなシステマティックレビューを見つけたのでご紹介いたします。

 

 保湿剤の効果に関し、システマティックレビューを実施した。

■ 湿疹は、生活の質に大きな影響を与える慢性の炎症性皮膚疾患である。

■ エモリエントまたはモイスチャライザーは広く推奨されているが、これらは効果的で安全なのだろうか?

■ Cochrane Skin Group Specialised Skin Register、CENTRAL in The Cochrane Library、MEDLINE、Embase、LILACS、GREATデータベース、5つの試験登録に関し、2015年12月までのランダム化比較試験(RCT)を検索した。

■ 7研究(9%)はバイアスリスクが低く、34研究(44%)がバイアスが不明確、36研究(47%)がバイアスが高いと評価された。

■ あらかじめ特定されたアウトカムについてのエビデンスの質は、概ね低いもしくは中程度だった。

■ 「保湿剤 vs 保湿剤なし」という最も重要な比較では、保湿剤群は保湿剤なしの場合と比較してアトピー性皮膚炎のスコアが改善していた(平均差-2.42; 95%信頼区間[CI] -4.55〜-0.28)が、有意な差と考えられる最小値8.7には達していなかった。

保湿剤塗布群は、紅斑はより少なくなり(risk ratio 0.40, 95%CI 0.23-0.70)、紅斑の発生率もより低かった(ハザード比 3.74, 95%CI 1.86-7.50)

■ 保湿剤を塗布した群は、6-8週間のステロイド外用の使用が少なかった(平均差 -9.30g、95%CI 15.3〜-3.27)

■ グリチルリチン、尿素、グリセリン含有クリームは、参加者における評価でも医師における評価でも、対照(基剤、プラセボ、保湿剤なし)と比較して良好に作用していた。

■ 毎週2回のプロピオン酸フルチカゾン外用(注; ステロイド外用=本邦未発売)と保湿剤の使用に比較して、保湿剤単独の使用は、より紅斑が多かった(リスク比 2.17, 95%CI 1.55-3.11)。

■ 抗炎症外用治療に保湿剤を追加することは、抗炎症治療単独よりも効果的であり、結果として紅斑が少なくなった。

 

結局、何がわかった?

 ✅保湿剤の使用は、保湿剤を未使用と比較してアトピー性皮膚炎のスコアは改善する(平均差-2.42; 95%信頼区間[CI] -4.55〜-0.28)

 ✅保湿剤の使用は、紅斑は有意に少なくなり(risk ratio 0.40, 95%CI 0.23-0.70)、紅斑の発生率も有意に低くなる(ハザード比 3.74, 95%CI 1.86-7.50)。

 ✅保湿剤を使用すると、6-8週間のステロイド外用の使用が有意に少なくなる(平均差 -9.30g、95%CI 15.3〜-3.27)

 

 

保湿剤は、アトピー性皮膚炎の重症度・紅斑を軽くし、ステロイド外用剤の使用量も少なくする。

■ 保湿剤に感しては、なかなかシステマティックレビューをしてもメタアナリシスにならないのですが、今回の検討は数字がわかりやすく、診療に活用できるのではないでしょうか?

 

 

今日のまとめ!

 ✅保湿剤の使用は、アトピー性皮膚炎を改善させ、紅斑の発症リスクを減らし、ステロイド外用の使用量も減らす。

 

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