アトピー性皮膚炎は、全身の感染症のリスクも増加させる



Narla S, Silverberg JI. Association between atopic dermatitis and serious cutaneous, multiorgan and systemic infections in US adults. Annals of Allergy, Asthma & Immunology 2018; 120:66-72. e11.

アトピー性皮膚炎は、皮膚以外の感染も増加させる?

■ 皮膚は腸と並んで最大の免疫臓器のひとつで、アトピー性皮膚炎は、皮膚のみならず全身性の感染症も増やすのではないかという研究結果があります。

 

2002年から2012年までの米国の入院患者データを分析し成人72,108,077人に関して、アトピー性皮膚炎と感染症のリスクの関連を検討した。

背景

■ アトピー性皮膚炎(AD)は、バリア破壊、免疫調節不全、免疫抑制治療と関連しており、多くの感染との関係性が高まる可能性がある。

 

目的

■ ADに罹患した成人が、多数の重篤な感染症や関連した結果となるかどうかを確認する。

 

方法

■ 2002年から2012年までの全国入院患者データを分析した。

■ これには、すべての米国入院患者の約20%(成人72,108,077名)が含まれていた

■ ADの有無による入院患者の重篤な感染の発症率、入院期間、治療の費用、重症感染症に続発した入院中の死亡率に関して確認した。

 

結果

■ 重篤な感染症の有病率は、パーセント(95%信頼区間)として表され、ADのある入院患者は、ADのない入院患者よりも重症感染の割合が高かった(42.1%[41.6-42.6] vs 25.4%[25.2-25.6]; P = .0002)

■ 複数の予測因子(多変量ロジスティック回帰モデル)を用いたロジスティック回帰モデルでは、ADは38感染のうち32感染と関連していた。

■ 関連する皮膚感染には、ヘルペス性湿疹(オッズ比[95%信頼区間]、67.93 [47.93-96.28])、淋病(11.15 [9.47-13.1])、蜂巣炎(4.53 [4.42-4.64])が含まれた

■ 関連する呼吸器感染には、アスペルギルス症(1.51 [1.21-1.88])および結核(1.57 [1.41-1.76])が含まれていた。

■ ADは、感染性関節症(2.01[1.84-2.20])、心内膜炎(1.25[1.12-1.39])、脳炎(1.65[1.40-1.96])とメチシリン耐性黄色ぶどう球菌感染症(3.29[3.17-3.42])を含む真皮外、多臓器および全身性感染症を伴った

論文より引用。アトピー性皮膚炎/湿疹と重篤な感染との関連。

■ 入院したAD患者で重篤な感染の有無は、入院患者ケアの幾何学的なコストの平均($ 8,273 [8,126-8,423]対$ 7,179 [7,052-7,307])、入院期間(5.3日[5.2-5.3] vs 3.9 [3.9 -4.0]; P = .0002)、年間11~2億2200万ドルの余剰の費用が発生した。

 

結論

■ AD患者は、皮膚、呼吸器、多臓器・全身感染を増加させ、これには相当なコスト負担が伴った。

 

結局、何がわかった?

 ✅アトピー性皮膚炎は、皮膚感染症として、ヘルペス性湿疹のリスクを67.93倍、、淋病を11.5倍、蜂巣炎を4.53倍にした。

 ✅アトピー性皮膚炎は、呼吸器感染症として、アスペルギルス症のリスクを1.51倍、結核を1.57倍にした。

 ✅アトピー性皮膚炎は、全身性感染症として、感染性関節症のリスクを2.01倍、心内膜炎を1.25倍、脳炎を1.65倍、MRSA感染症を3.29倍にした。

 

 

アトピー性皮膚炎は、皮膚以外の感染症のリスクを増加させる。

■ アトピー性皮膚炎は、皮膚以外の感染症を増やすのは確かなようです。

■ さらに、精神的な病態にも影響するのではないかという報告もあります。

■ アトピー性皮膚炎を長期間持続させないように治療することは大事と言ってよいでしょう。

 

今日のまとめ!

 ✅アトピー性皮膚炎は、皮膚感染症のみならず、呼吸器感染症・皮膚以外の全身性感染症のリスクも増やすようだ。