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Sarre ME, et al. Are baths desirable in atopic dermatitis? Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology : JEADV 2015; 29(7): 1265-74.

入浴とアトピー性皮膚炎。

■ アトピー性皮膚炎に対し、入浴が有効かどうかはアトピー性皮膚炎の状態に応じると、私は考えています。

■ 実際、入浴すべきかしないべきか、今のところは結論できないというレビューもあります。

アトピー性皮膚炎は入浴すべきか?しないべきか?: レビュー

■ 今回は、アトピー性皮膚炎に対し、どれくらいの割合の患者さんが、入浴が有利に働くかというメタアナリシスをご紹介いたします。

 

 

アトピー性皮膚炎に対する水道水の入浴効果をみた過去30年の文献を検索し、7研究が選択基準を満たした。

背景

■ 入浴は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)において一般的に指導される治療方法である。

■ しかし、入浴が皮膚状態を改善するかどうかはまだ不明である。

■ 我々の目的は、AD患者に対する1ヶ月間の水の効果を評価し、入浴が有効なAD患者の割合を評価することだった。

 

方法

■ 「Baths」OR「Baththe」OR「Hydrotherapy」OR「Cleansing」OR「Soak」と組み合わせた「Atopic Dermatitis」OR「Eczema」という医療用語を使用し、2012年11月に過去30年間のMedline検索を実施した。

■ 水道水による入浴後の皮膚の変化を評価する介入研究を最初の分析のために選択した。

■ 第2の分析のために、入浴に有利なAD患者の割合を報告する観察研究が選択された。

■ 方法と結果に関する重要な説明は、2人の著者によって個別に抽出された。

■ ランダム効果モデルを用いて、結果に関するデータを結合してメタアナリシスを実施した。

 

結果

■ 最初に同定された抄録271本のうち、7研究が選択基準を満たし、すべてが良質だった。

AD患者の数は89人〜260人(女性が41.4〜66.3%)だった。

■ ランダム効果メタアナリシスでは、入浴後の皮膚変化の効果の大きさは-0.10(95%信頼区間:-0.47-0.28)だった。

■ メタアナリシスによる、入浴に有利な患者の割合は29.1%(18.5%-42.7%)であった。

 

結論

■ 我々は、1ヶ月間の水道水による入浴がADの皮膚変化に及ぼす影響に関するエビデンスを見出さなかった。

入浴は、AD患者の29%に有利に働いた

■ ADにおける入浴は、患者と決定する必要がある。

 

結局、何がわかった?

 ✅入浴に有利なアトピー性皮膚炎患者の割合は29.1%(95%信頼区間 18.5%-42.7%)だった

 

 

入浴の指示は、個別に考える必要がある。

■ (比較的軽症患者の割合の多い)プライマリケア医は入浴を推奨する割合が少なく、(比較的重症患者の割合の多い)専門医は入浴を勧めることが多いのは、米国も同様という報告があります。

アトピー性皮膚炎児の毎日の入浴を、専門医は推奨しプライマリケア医は推奨しない: ウェブベースの横断研究

■ 重症度が高ければ、皮膚に黄色ブドウ球菌を保菌している可能性が高くなります。

黄色ブドウ球菌密度はアトピー性皮膚炎の重症度と関連する: 症例対照研究

■ そして、黄色ブドウ球菌は、アトピー性皮膚炎の悪化に関与します。

重症アトピー性皮膚炎から検出された黄色ブドウ球菌ほど、アトピー性皮膚炎を悪化させる

■ すなわち、アトピー性皮膚炎の重症度やステージに応じ、入浴の指示も変化させる必要があるといえ、皮膚状態を確認しながら、個別に指導しなければならないということと思います。

 

今日のまとめ!

 ✅アトピー性皮膚炎治療における入浴に関して、効果があるのはアトピー性皮膚炎の3割程度である。良い側面と悪い側面があるため、個別の指導を考える必要がある。

 

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