
Ahmadizar F, et al. Early‐life antibiotic exposure increases the risk of developing allergic symptoms later in life: A meta‐analysis. Allergy 2018; 73(5): 971-86.
乳児期の抗生剤使用と、その後のアレルギー疾患の発症。
■ 乳児期早期の抗生剤の使用が、その後のアレルギー疾患リスクを増やすかもしれないという報告が増えています。
乳児期の制酸剤や抗生剤の使用は、アレルギー疾患の発症リスクになるかもしれない
■ 最近、そのメタアナリシスが発表されています。
2歳までの抗生剤使用が、その後のアレルギー疾患・感作に関連するかのメタアナリシスを実施した。
目的
■ 2歳までの抗生物質曝露と、花粉症・湿疹・食物アレルギー・皮膚プリックテスト(skin prick testing; SPT)陽性・血清/血漿アレルゲン特異的IgE抗体価上昇を含むアレルギー/アトピーのリスクとの関係を、体系的に見直し定量化した。
方法
■ PubMed、Web of Scienceデータベースにおいて、1966年1月~2015年11月11日までに公開された観察研究を検索した。
■ オッズ比( odds ratios ;OR)のプールされた推定値は、固定またはランダム効果モデルを用いて求められた。
結果
■ 乳児期早期の抗生物質曝露は、その後の花粉症、湿疹、食物アレルギーのリスク増加と関連しているようだった。
■ 花粉症(22研究)のリスクに対するオッズ比は、1.23; 95%信頼区間(CI)1.13~1.34; I2:77.0%だった。
■ 湿疹(22研究)のリスクはOR 1.26; 95%CI 1.15~1.37; I2 74.2%だった。
■ 食物アレルギー(3件)のOR 1.42; 95%CI 1.08~1.87; I2 80.8%だった。
■ しかし、乳児期早期の抗生物質曝露と、客観的なアトピー性皮膚炎の指標(SPT陽性・アレルゲン特異的血清/血漿IgE抗体価上昇を含む)には有意な関連は認めなかった。
結局、何がわかった?
乳児期早期(2歳まで)の抗生剤使用は、
✅花粉症のリスクをオッズ比 1.23倍(95%CI 1.13~1.34)、湿疹リスクをOR 1.26倍( 95%CI 1.15~1.37)、食物アレルギーのOR 1.42倍( 95%CI 1.08~1.87)にした。
抗生剤は、その後のアレルギー疾患リスクを上昇させる。
■ 抗生剤とアレルギーに関しては、いくつかの報告を御紹介してきましたが、メタアナリシスでも証明されたといえましょう。
今日のまとめ!
✅2歳未満での抗生剤使用は、その後のアレルギー疾患発症リスクをあげるようだ。