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デュピルマブ(デュピクセント)の副作用として、結膜炎が知られています。その症例集積研究をご紹介します。

■ デュピクセントは、重症アトピー性皮膚炎に有効な生物学的製剤として、2018年5月に保険適応となりました。

■ しかし、まだ新しい薬剤ですので、有効性のみならず副作用にも十分配慮していくべきでしょう。最近実施されたメタアナリシスでは、プラセボと比較して、①皮膚感染のリスクが0.54倍、②アトピー性皮膚炎の増悪リスクが0.44倍、③注射部位の副反応リスクが 2.24倍、④頭痛のリスクが1.47倍、⑤結膜炎のリスクが2.64倍と報告されています。

■ そのなかでも結膜炎に注目した報告です。

 

Treister AD, et al. Risk Factors for Dupilumab-Associated Conjunctivitis in Patients With Atopic Dermatitis. JAMA Dermatol 2018; 154:1208-11.

アトピー性皮膚炎に対しデュピルマブを投与された142人の症例集積を行い、結膜炎の発症リスクを検討した。

重要性

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)に対するデュピルマブの臨床試験は、プラセボを受けた患者と比較し、デュピルマブを投与された患者に結膜炎の発症率が増加することを報告している。

 

目的

■ ADに対するデュピルマブ治療に続発する結膜炎を発症する患者の特徴を説明する。

 

研究デザイン、セッティング、参加者

■ 2017年3月29日から2018年3月29日まで、二次医療センターにおいてADに対するデュピルマブを投与された142人から、結膜炎の発症を報告した12人におけるケースシリーズ。

 

介入

■ 患者は、デュピルマブ600mg皮下注の投与を受け、その後2週間ごとに300mg皮下注で投与された。

 

主な結果と検査結果

プライマリアウトカム指標は、デュピルマブ開始時と結膜炎発症時におけるInvestigator Global Assessment(IGA)スコア、すなわち、0(なし)から4(重症)までの5点のスケールで測定したAD重症度だった

IGA
「IGA」はアトピー性皮膚炎の治験などで良く用いられる重症度の指標です。
極めて簡略化された5段階で評価されます。

 

結果

■ このケースシリーズに含まれた12人のうち、7人(58%)が男性だった。

■ 結膜炎が発症した時点での平均年齢は30歳(8.1歳)だった。

■ すべての患者は結膜炎診断時にはAD症状はIGAスコアが平均1.9±0.8改善し、体表面積の47.8%±11.2%減少していた。

12人のうち9人(75%)は、試験開始時にIGAスコアが4という重症ADだった。

治療を中断した患者はすべて、最初のデュピルマブ投与時に重症ADがあり、ADに加えて少なくとも1種類のアトピー状態があった

 

結論と妥当性

ADを治療するためのデュピルマブの投与後に生じる結膜炎は、治療を中止するのに必要なほど重症となり得る

■ 重症の結膜炎は、デュピルマブに対する良好な反応性でありアトピー状態が強いフェノタイプである、試験開始時のADがより重篤な患者においてより顕著である。

■ 結膜炎の発症に関連する危険因子を確認し、効果的な治療を決定するための研究が必要である。

 

結局、何がわかった?

 ✅アトピー性皮膚炎治療におけるデュピルマブの投与後に生じる結膜炎は、治療を中止するのに必要なほど重症となり得る。

 ✅12人中9人(75%)は、治療開始時に重症アトピー性皮膚炎(IGAで4)であり、アトピー状態(この報告では花粉症、喘息)が1つ以上ある例が7例あった。

 

 

デュピルマブには重症結膜炎を発症する可能性があるため、注意が必要である。とくに、治療開始時のアトピー性皮膚炎の重篤度には注意をはらう必要性があるだろう。

■ 結膜炎を発症したうち、1人は一時的に、2人は重症結膜炎のために、デュピルマブを完全に中止したそうです。

■ デュピルマブに続発する重症結膜炎の発症に素因が何であるかは不明であるものの、アトピー性皮膚炎の重症度やアトピー症状(この場合花粉症や喘息)の既往歴を考慮する必要があるとされていました。

■ しかし、本邦ではスギ花粉症が多いですし、これだけでは参考にしづらく、やはり開始時のアトピー性皮膚炎の重症度に依存している印象があります。

 

今日のまとめ!

 ✅デュピルマブを開始時にアトピー性皮膚炎が特に重篤な場合は、重篤な結膜炎を発症する可能性が高いと考えておく必要がありそうだ。

 

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