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保湿剤の使用で皮膚の菌のバランスが改善するか?

■ 保湿剤を使用することで、皮膚の菌叢が変化することが報告されています。

■ それに関連したランダム化比較試験をご紹介します。

 

Bianchi P, et al. Effects of a New Emollient‐Based Treatment on Skin Microflora Balance and Barrier Function in Children with Mild Atopic Dermatitis. Pediatric dermatology 2016; 33:165-71.

1歳から4歳の小児アトピー性皮膚炎54人に関し、保湿剤使用群と対照群で、アトピー性皮膚炎の指標や皮膚蛋白の発現、黄色ブドウ球菌量を評価した。

背景/目的

■ 保湿剤の使用は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)、特に紅斑の治療に広く推奨されている。

■ 皮膚の微生物叢のアンバランスはADの増悪における重要な役割を果たすと考えられている。

■ 我々の目的は、軽症ADの小児に対する新規皮膚保湿/香油剤(Avene Xeracalm balm)の効果を、臨床パラメータ(SCORAD、皮膚乾燥、そう痒)、皮膚バリア機能(経表皮水分蒸散量 [TEWL]、ロリクリン、フィラグリン、コルネオデスモシン、インボルクリンの発現)、皮膚の微生物多様性、黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌のバランスを評価することだった。

 

方法

■ このランダム化対照比較試験には54人の小児(1〜4歳)が参加した。

■ 洗浄製品と皮膚保湿剤(保湿剤群、28人)または洗浄製品((エモリエントクレンジングゲル; Trixera; Pierre Fabre Dermo、Boulogne、France)のみ(対照群、26人)を1日2回、28日間使用した。

 

結果

保湿剤群は、使用28日後に、SCORAD(p <0.001)、掻痒(p = 0.06)、皮膚乾燥(p = 0.06)が改善した。

■ さらに、28日目には、皮膚機能の改善と関連し、保湿剤群でTEWLが34%(p = 0.06)、インボルクリンの遺伝子発現が37%(p = 0.001)低下した。しかし、他のバリア特異的タンパク質は変化が見られなかった。

黄色ブドウ球菌は対照群のみで有意に増加し(6.5倍、p = 0.01)、表皮ブドウ球菌は両群で変化なかった

論文から引用。保湿剤群と対照群において、(A)表皮ブドウ球菌は変化なかったが、(B)黄色ブドウ球菌は対照群で有意に増加した。

■ シャノン指数(H '= 2.3)はいずれの群でも治療前後で変化なかった。

 

結論

■ 軽症ADのある小児に対する新規保湿クリームの毎日2回の適用は、黄色ブドウ球菌の増殖や微生物の生物多様性の維持から皮膚を保護した。

 

結局、何がわかった?

 ✅ 小児アトピー性皮膚炎に対する保湿剤1日2回28日間使用すると、対照群に比較して、SCORAD(アトピー性皮膚炎の重症度スコア)(p <0.001)・かゆみ(p = 0.06)・乾燥(p = 0.06)が改善し、TEWL(皮膚のバリア機能の指標)が低下・インボルクリン(角質層の産生の指標)発現の低下が観察された。

 ✅ 対照群では皮膚の黄色ブドウ球菌が増加したが、保湿剤群では増加しなかった。

 

スキンケア(保湿剤)は、黄色ブドウ球菌の増加を抑えアトピー性皮膚炎の悪化を防ぐ可能性を示唆した報告と言えましょう。

■ 皮膚常在菌(この場合表皮ブドウ球菌)は、黄色ブドウ球菌の増加を抑えます。

■ 皮膚の菌の多様性はアトピー性皮膚炎の悪化を抑えますし、黄色ブドウ球菌の密度が増えるほどアトピー性皮膚炎の重症度はあがります。

■ そういう意味で、スキンケアのみでもその悪化を防ぎうる可能性を示した報告と言えましょう。

 

 

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今日のまとめ!

 ✅ 小児アトピー性皮膚炎に対する保湿剤は、皮膚の改善だけでなく皮膚の菌の多様性を守り、アトピー性皮膚炎の悪化を防いでいる。

 

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