以下、論文紹介と解説です。
Schuez-Havupalo L, et al. Daycare attendance and respiratory tract infections: a prospective birth cohort study. BMJ open 2017; 7.
出生コホート研究に参加したフィンランドの子ども 1827人を生後24カ月まで追跡調査し、集団保育の方法ごとの呼吸器感染症の回数・抗生物質による加療回数・保護者の欠勤の回数を比較した。
目的
■ 乳幼児における呼吸器感染症(RTI; respiratory tract infection)の負担を集団保育の開始に関連し検討した。
研究デザイン
■ 縦断的前向き出生コホート研究。
設定と方法
■ RTIと保育方法に関する日誌のデータを収集するために,1827人の児を生後24カ月まで追跡調査のためにリクルートした。
■ 継続的な保育方法と完全なデータのある児を、施設による集団保育 299人、家による集団保育(family day care; FDC)245人、家庭(親もしくは親族)による保育 350人のグループに分けた。
■ 反復測定分散分析を用いて、デイケア開始前6カ月と開始後9カ月に呼吸器感染症の症状があった1ヶ月あたりの日数、抗生物質による治療、親の欠勤を解析した。
結果
■ すべてのアウトカム指標について、期間と保育方法の影響、それらの相互作用が記録した。
■ 呼吸器感染症の症状があった平均日数は、施設による集団保育開始前1ヵ月間の3.79日(95%CI 3.04~4.53)から、施設による集団保育開始2ヵ月後の10.57日(95%CI 9.35~11.79)へと増加し、その後9ヵ月間で減少した。
呼吸器感染症の回数の推移。数ヶ月で大きく増え、その後9ヶ月程度でベースラインに落ち着く。
■ 抗生物質の使用と保護者の欠勤についても、同様のパターンで上昇と下降が観察された。
論文より引用。抗生物質の使用量も、数ヶ月で増加し、その後徐々に落ち着く。
論文より引用。保護者の欠勤回数も数ヶ月間は多くなり、徐々に落ち着く。しかし、ベースラインまでは戻らない。
■ FDCの開始時の影響は低かった。
■ 交絡因子を考慮しても、知見に変化はなかった。
結論
■ この研究では、集団保育開始後に呼吸器感染症が急激に増加し、保育を続けると時間の経過とともに比較的早く減少することが判明した。
■ 保育開始前後の家族のサポートが重要である。
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集団保育が始まった最初の数ヶ月は特に風邪を引く可能性が高い。しかし、9ヶ月程度で徐々に落ち着いてくるのではという情報提供はできるかもしれない。

■ 規模の大きい集団保育では、最初の呼吸器感染症(この場合は風邪が大多数でしょう)が大きく増えるものの、徐々に落ち着く傾向があることがわかります。
■ もちろん個人差もあるでしょうけれども、ひとつの目安が9ヶ月といえるかもしれません。
■ 一方で、保護者さんの欠勤はそこまで減らないことは、お子さんの風邪だけではないさまざまな要因が増えることを想像させます。
■ とくに、集団保育開始時のサポートは重要になってくるのではないかと思われます。
今日のまとめ!
✅ 集団保育に行きはじめの数ヶ月は大幅に子どもの呼吸器感染症は増加するが、9ヶ月程度で徐々に落ち着いてくるといえそうだ。
















