新型コロナで入院した児に、急性期の神経学的合併症はどれくらいあるか?
■ オミクロン株の流行にともない、熱性けいれんをおこした小児が受診されることが増えており、最近の研究結果でもそのことが裏付けられています。
感染小児、発熱・けいれん増=オミクロン株流行期を分析―成育医療研など
■ それだけでなく、脳症の報告も増えています。
■ 最近、日本からも新生児の脳症の報告もあります(Tetsuhara K, Akamine S, Matsubara Y, Fujii S, Kashimada W, Marutani K, et al. Severe encephalopathy associated with SARS-CoV-2 Omicron BA.1 variant infection in a neonate. Brain Dev 2022DOI: 10.1016/j.braindev.2022.06.010.)。
■ そして最近、米国小児科学会雑誌(Pediatrics誌)に新型コロナ罹患時の神経学的合併症を確認した研究結果が発表されていましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
2020年3月~2022年3月に、小児病院52施設から退院した新型コロナに罹患歴のある生後2ヶ月~18歳未満の小児を対象に、神経学的合併症の疫学と転帰を調査したところ、
✅ 新型コロナにより入院した小児15,137人のうち、1060人(7.0%)が神経学的合併症があった。
✅ 最も頻度の高い神経学的合併症は,熱性けいれん(3.9%)、非熱性けいれん(2.3%)、脳症(2.2%)だった。