デルタ株は他の変異株に比較して重症化する確率が高いが、ワクチンによりリスクが低下する

デルタ株の拡大にともない、重症化率の上昇が懸念されています。

■ いわゆるVOC(Variant of Concern; 懸念される変異株)の感染性が高まっていることは、疫学的なデータによって証明されていますが(Nature 2021; 592(7854): 438-43.)(Nature 2021; 593:321-2.)、重症度や死亡率などの影響に対する報告はまだ少ないです。

■ とくに、デルタ株、重篤化の率が高いことが懸念されていますがまだ十分なデータがなかった状況でした。

■ そこで、最近、Clinical Infectious Diseasesに、そのデルタ株が重篤化しやすいことを示した報告がありましたので共有します。

 

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

シンガポールにおいて、2020年1月から4月に入院した患者と、2021年1月1日から5月22日まで(デルタ株優位)のデータを比較し、VOC(Variant of Concern; 懸念される変異株)の重症化率を比較したところ、

 ✅ B.1.617.2による酸素必要量、ICU入室、死亡のリスクは4.9倍高く(調整オッズ比 4.90[95%CI 1.43-30.78])、肺炎のリスクは1.88倍高かった(調整オッズ比1.88倍[95%CI 0.95-3.76])。

 ✅ ワクチン接種の有無は重症度の低下と関連していた(85%のリスク低下)。

 

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