以下、論文紹介と解説です。
Logan K, et al. Early Gluten Introduction and Celiac Disease in the EAT Study: A Prespecified Analysis of the EAT Randomized Clinical Trial. JAMA Pediatr. 2020 Sep 28;174(11):1–7. doi: 10.1001/jamapediatrics.2020.2893. Epub ahead of print. PMID: 32986087; PMCID: PMC7522778.
生後4カ月の一般乳児を母乳に加えアレルゲン食品6種類(ピーナッツ、ゴマ、鶏卵、牛乳、タラ、小麦)を開始する早期導入群と、生後約6カ月までの完全母乳栄養群にランダム化し、検討できた1004人のセリアック病の発症リスクを比較した。
重要性
■ セリアック病(celiac disease; CD)の予防法はない。
■ グルテン導入時の年齢はCDの有病率に影響しないという現在のガイドラインは、いくつかのランダム化比較試験の結果に基づいているものの、グルテン摂取量や導入時期は様々だった。
目的
■ 高用量のグルテンを早期導入することで、3歳でのCDの有病率が低下するかどうかを検討する。
研究デザイン、セッティング、参加者
■ Enquiring About Tolerance(EAT)試験は、非盲検ランダム化臨床試験である。
■ イングランドとウェールズの一般集団から計1303人の小児をリクルートし、2009年11月2日から2012年7月30日まで追跡調査を行った。
■ 本試験では、2012年11月1日から2015年3月31日までにサンプルを収集し、2017年4月25日から2018年9月17日までデータ解析を行った。
介入
■ 乳児をランダム化し、生後4カ月から母乳に加え6種類のアレルゲン食品(ピーナッツ、ゴマ、鶏卵、牛乳、タラ、小麦)の摂取群(早期導入群[early introduction group; EIG])、もしくはアレルゲン食品を避け、生後約6カ月までは英国の乳児食事の推奨の完全母乳栄養群(標準導入群[standard introduction group; SIG])に層別化した。
主なアウトカムと測定
■ CDの評価はEAT試験の第二次エンドポイントであり、3歳時点で利用可能な血清サンプルのある全小児に抗トランスグルタミナーゼ2型抗体の検査が行われた。
■ 抗体価が20IU/Lを超えていた子供たちは、さらなる検査のために消化器内科医に紹介された。
結果
■ 分析に含まれた 乳児1004 人のうち、男児は514 人だった(51.2%)。
■ 4~6ヵ月に摂取されたグルテンの平均(SD)量は、SIG群で0.49(1.40)g/週、EIGでは2.66(1.85)g/週だった(P < 0.001)。
■ 週ごとのグルテン消費量の平均(SD)は、SIG群では生後4ヵ月で0.08(1.00)g/週~6ヵ月で0.9(2.05)g/週だったのに対し、EIG群では生後4ヵ月で1.3(1.54)g/週~6ヵ月で4.03(2.40)g/週だった。
■ 516人中7人(1.4%)がCDが確定診断されたのに対し、EIGでは488人中1人もCDの確定診断はなかった(P = 0.02; 群間のリスク差 1.4%; 95%CI 0.6%-2.6%)。
結論と関連性
■ EAT試験の乳児を対象としたこの解析では、生後4カ月からのグルテン導入はCD有病率の低下と関連していた。
■ これらの結果は、今後の研究において早期の高用量グルテン摂取をCD予防の戦略として検討すべきであることを示唆している.
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小麦の早期導入は、セリアック病(小麦グルテンに対する過敏症)を予防するかもしれない。

■ 小麦の導入時期がおくれるほど、セリアック病は発症しやすいことがメタアナリシスで指摘されており、そのことを確認した研究といえます。
■ しかし日本人にはセリアック病を発症しているかたはきわめて少ないことがわかっていますので、今回の研究結果は有用とはいえないかもしれません。
今日のまとめ!
✅ 小麦を生後4ヶ月から導入すると、セリアック病を発症にしにくいかもしれない。















