セリアック病(グルテン不耐症)は、小麦導入時期が遅いほど発症しやすい: システマティックレビュー&メタアナリシス

2017年5月30日

Pinto-Sanchez MI, et al. Gluten Introduction to Infant Feeding and Risk of Celiac Disease: Systematic Review and Meta-Analysis. J Pediatr 2016; 168:132-43.e3.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26500108


セリアック病は正確には食物アレルギーではなく、小麦タンパクに対する自己免疫疾患です。


P: CENTRAL, MEDLINE, EMBASE,SIGLEの1982本から抽出した15本から、ランダム化比較試験2本、コホート試験10本、症例対照研究1本
E: 生後4-6ヶ月にグルテンを始める
C: 生後6ヶ月以降にグルテンを始める
O: セリアック病(CD)のリスク
【結果】
6ヵ月以降にグルテンを開始した群のほうが、4-6ヵ月にグルテンを開始したほうがCDの発症リスクが増加した(RR 1.25; 95%信頼区間 [1.08-1.45])。
母乳栄養と非母乳栄養ではCD発症リスクに影響しなかった(OR、0.55 [95%信頼区間、0.28-1.10])。
【コメント】
安易に「離乳食開始を遅らせましょう」は問題の先送りになるだけでなく、食物アレルギー以外の他の疾患のリスクを上げる可能性があるという報告をUPしました。


セリアック病といえば、食物アレルギー診療とは無縁ではないなと思わせる報告もあります。

例えば、乳児期から小麦アレルギーがあって3歳時には一旦小麦が食べられるようになって食べ続けていたお子さんが、9歳時にセリアック病と診断されて除去を指導され、それまで低下していた小麦特異的IgE抗体価が再度上昇し始めて重篤化したという症例報告です( Barbi E, et al., Fatal allergy as a possible consequence of long-term elimination diet. Allergy 2004; 59:668-9.[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15147454])。
なお、その患者さんは、それまで摂取できていた乳をも除去指導されてしまい、16歳時に乳を誤って”吸入”し亡くなられたそうです。
もちろん除去食が必要な患者さんがいらっしゃるのは十分承知のうえですが、一方で除去食は両刃の剣であることを医療者側も十分に理解し、診療にあたる必要があるでしょう。