成人のアトピー性皮膚炎に対し、JAK経口薬であるバリシチニブ(オルミエント)に保険適応がおりました。
■ アトピー性皮膚炎に対し、生物学的製剤であるデュピルマブ(デュピクセント)の有効性が報告されており、保険適応されてきています。
■ 高価である点、もちろん軽症には投与できない点など注意点もありますが、もう一方で注射薬であるという点も躊躇される点でしょう。
■ 一方で、JAK阻害薬であるバリシチニブ(オルミエント)が経口薬として成人のアトピー性皮膚炎の治療薬として保険適応となりました。
■ 感染症に対する懸念などもありますが、これから念頭に置く治療選択肢になります。
■ なお、酸素投与が必要な新型コロナウイルス感染症にも効能効果が追記され、デキサメタゾンやレムデシビル以外の選択肢として考えられるようになってきています。
■ 後半にすこし解説しています。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
外用剤の効果が不十分または不応だった中等症から重症の成人アトピー性皮膚炎患者440人に対し、バリシチニブ(1 mgもしくは2 mg)、プラセボを1日1回16週間投与し、アトピー性皮膚炎の改善を比較したところ、
✅ 16週目にEczema Area and Severity Index(EASI)を達成した患者の割合は、プラセボ、バリシチニブ1mg、バリシチニブ2mgにおいてそれぞれ8%、13%、30%(P < 0.001、2mg vs プラセボ)、Investigator Global Assessment(IGA)スコアが0/1の患者の割合は5%、13%、24%(P < 0.001、2mg vs プラセボ)であり、有意な効果があった。
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