おそらく、今年中にはアトピー性皮膚炎に対する規外用薬PDE4阻害薬が使用できるようになります。
■ アトピー性皮膚炎に対する新規外用薬PDE4阻害薬は、海外ではクリサボロール(商品名Eucrisa)として承認されており、生後3ヶ月以上で使用できるようになっています。
■ Eucrisaより先に、日本ではジファミラスト(商品名モイゼルト)のち治験がすすみ、今年中には2歳以降での承認が降りそうです。
PDE4阻害薬は、さまざまな炎症性サイトカインの働きを阻害することがわかっています。
Experimental Dermatology 2019; 28:3-10.から引用。☆印がPDE4阻害薬が効果を示すルート。
■ 最近、成人での治験データがJAADに報告されていましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
日本人の成人アトピー性皮膚炎患者364人に対し、ジファミラスト(モイゼルト)軟膏群と基剤群にランダム化し、4週間の効果と安全性を比較したところ、
✅ 4週目(主要評価項目)のIGAスコアの達成率(IGAスコア0または1を達成し、2段階以上の改善を示した患者の割合)は、ジファミラスト1%軟膏は、基剤より有意に高かった(それぞれ38.46% vs 12.64%, P < 0.0001)。
✅ 問題となる有害事象は、ほとんどが軽症または中等症であり、基剤群よりもジファミラスト群のほうが少なかった。