早期に『複数の離乳食を少量』開始することに、リスクはないか?
■ 早期に離乳食を開始すると、すくなくとも、卵とピーナッツアレルギーの発症が予防できる可能性が示唆されています。
■ では、離乳食早期に『多種アレルゲン』を負荷した場合はどうでしょう?
Quake AZ, Liu TA, D’Souza R, Jackson KG, Woch M, Tetteh A, Sampath V, Nadeau KC, Sindher S, Chinthrajah RS. Early introduction of multi-allergen mixture for prevention of food allergy: pilot study. Nutrients 2022; 14:737.
生後4カ月から6カ月の乳児180人を対象に、単一食品、2食品、複数食品を、低、中、高用量で早期導入するか、早期導入しないかでの安全性を評価した。
はじめに
■ 食物アレルギー(food allergy; FA)の発症率や有病率は増加傾向にある。
■ FA予防のための乳児への単一アレルゲンの早期導入の安全性と有効性はいくつかの研究で確立されているが、乳児、特にアレルギーリスクの高い、もしくは低い乳児に安全に導入できるアレルゲンの正確な用量、頻度、数はまだ不明である。
方法
■ この1年間のパイロット研究では、生後4カ月から6カ月の乳児180人を対象に、単一食品(牛乳、卵、ピーナッツ)の早期導入と2食品(牛乳/卵、卵/ピーナッツ、牛乳/ピーナッツ)、複数食品(牛乳/卵/ピーナッツ/カシューナッツ/アーモンド/エビ/クルミ/小麦/レモン/ヘイゼルナッツを低、中、高用量で)導入と早期導入を行わない場合の安全性について評価した。
■ 試験終了時には、標準化された血液検査により、食物に対うる反応性に関連する血漿バイオマーカーを評価した。
■ 試験開始から2〜4年後、参加者は標準化された食物負荷試験によって評価された。
■ 1種類投与、2種類投与、低用量混合物投与の1日当たりの量は、総タンパク質量として300 mgだった。
■ 中用量および高用量の混合食の1食量は、それぞれ総タンパク質900 mgおよび3000 mgだった。
■ 2種類または混合食は、各タンパク質は同じ量が使用された。
■ すべての乳児は、少なくとも生後6カ月まで母乳で育てられた。
結果
■ 結果として、アレルギーリスクが高いもしくは低い乳児は、複数のアレルゲンの高い食品の早期導入に耐えることができ、湿疹、FA、食物タンパク質による腸炎を含む安全性の問題は一切生じなかったことが実証された。
■ 低用量、中用量、高用量のいずれかの混合食品は、単一もしくは2つの食品導入と比較して、食物負荷試験に対する反応性や血漿バイオマーカーの改善傾向を示した。
結論
■ 本研究の結果は、食品の早期導入、特に多くのアレルゲン食品の同時混合は、FAを予防するために安全で有効であり、安全に起こりうることを示唆している。
■ これらの結果は、より大規模な無作為化比較試験で確認する必要がある。
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