ピーナッツ早期開始によるピーナッツアレルギー予防効果は、適切な開始時期があり、遅れると効果が弱まるかもしれない

離乳食早期開始…は、いつが適切な開始時期?

■ 最近、ピーナッツ早期導入によるピーナッツアレルギー発症予防効果に関し、いつごろが適切かというテーマで米国免疫アレルギー学会雑誌に報告が出ていました。

 

※自己判断でピーナッツ早期開始を勧めているわけではありませんので、開始の際にはかかりつけ医にご相談ください。

※開始時のピーナッツバターは、スムースタイプの砂糖や塩を使用していないものがすすめられます。

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Roberts G, Bahnson HT, Du Toit G, O’Rourke C, Sever ML, Brittain E, et al. Defining the window of opportunity and target populations to prevent peanut allergy. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2023; 151:1329-36.

ピーナッツ早期開始をあつかったランダム化比較試験、EAT試験、LEAP試験、PAS試験のデータにより、一般集団での介入モデルを作成して最適なピーナッツの早期導入の対象者、導入時期を検討した。

背景

■ ピーナッツアレルギーは、欧州の小児の1%から2%が罹患している。
■ しかしピーナッツを早期に食事に取り入れることで、ハイリスク児のアレルギーを軽減することができる。

目的

■ 一般人口のピーナッツアレルギーを予防するために、最適なピーナッツ製品の対象者、導入時期を明らかにすることを目的とした。

方法

■ Enquiring About Tolerance(EAT試験、n = 1303、ノーマルリスク、フォローアップ期間3年、ISRCTN14254740)と Learning Early About Peanut Allergy study(LEAP試験、n = 640、ハイリスク、フォローアップ期間5年、NCT00329784)のランダム化比較試験とPeanut Allergy Sensitization(PAS試験、n = 194、低・超ハイリスク、フォローアップ期間5年)の観察研究からのデータにより一般集団での介入モデルを作成した。
■ ピーナッツアレルギーは、盲検によるピーナッツ負荷試験または皮膚プリックテストの結果によって定義された。

結果

■ 重症湿疹を持つ最もハイリスク乳児のみを対象とした介入は、集団の疾病負担を4.6%減少させた。
■ ピーナッツアレルギーの最大の減少は、より大きな、しかしより低リスクのグループのみを対象とした介入を行った場合に見られた。
■ 湿疹のある4ヶ月児と湿疹のない6ヶ月児のすべての乳児の食事にピーナッツを導入した場合、ピーナッツアレルギーの77%の減少が推定された。
■ ピーナッツアレルギーの減少率は、導入が1ヶ月遅れるごとに減弱していったと推定される。

■ そして(ピーナッツ開始時期が)生後12ヶ月まで遅れた場合、ピーナッツアレルギーの減少率は33%にとどまった。

結論

■ ピーナッツ製品を早期に食事に取り入れることの予防効果は、取り入れる年齢が上がるにつれて減弱する。
■ ピーナッツアレルギーが公衆衛生上の問題になっている国では、医療従事者は、親が生後4~6ヶ月の乳児の食事にピーナッツ製品を導入するのを支援する必要がある。

 

 

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