早期に離乳食を開始したほうがアトピー性皮膚炎のリスクが減少するかもしれない: 症例対照研究

2017年7月15日

Turati F, et al. Early weaning is beneficial to prevent atopic dermatitis occurrence in young children. Allergy 2016.(in press)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26893011

離乳食の開始時期とアトピー性皮膚炎発症の関係。

■ アレルギー疾患の予防として”離乳食開始時期を遅らせる”という方法は、いまだ指導として残っているようです。

■ しかし、離乳食開始時期をおくらせることで、かえってアレルギーを増やすかもしれないという報告が増えてきています。

 


P: 2011年3月と2014年4月 イタリアの10施設での症例対照研究
E: 3-24ヵ月(中央値5ヵ月)のアトピー性皮膚炎患児451例(男児302名、女児149名)
C: 小児/皮膚科に受診した対照451名
(健診236名[52%]以外は、アンギオーマ 、血管腫、母斑、その他の皮膚疾患、その他[眼検査、予防接種、軽度の先天奇形、外傷])
O: 長期完全母乳(早期離乳食開始)は発症と関係するか


 

結局、何を知りたい?

 ✅離乳食開始時期とアトピー性皮膚炎発症リスクに関係を知ろうとしている。

 

 

生後4ヶ月の離乳食開始と完全母乳とで、アトピー性皮膚炎発症リスクが変わるか?

■ 完全母乳の児と比較して、生後4ヶ月で離乳食を始める児は、アトピー性皮膚炎のリスクはオッズ比[OR] 0.41(95%CI、0.20-0.87)、生後5ヶ月で始める児は、OR 0.39(95%CI、0.18-0.83)と有意に低かった

■ アレルギーの家族歴の有無で調整しても、この関連は持続した。

■ 長期間にわたる混合乳(母乳+人工乳)は、アトピー性皮膚炎のリスクと関係していなかった

■ 種類の多い離乳食導入は、アトピー性皮膚炎のリスクを低下させた(生後4ヵ月P trend= 0.02、5ヵ月のP trend= 0.04)

 

結局、何がわかった?

 ✅生後4ヶ月もしくは生後5ヶ月に離乳食を開始するとアトピー性皮膚炎の発症リスクが約4割になった。

 

 

早期離乳食開始はむしろアトピー性皮膚炎の発症リスクを低下させた。

■ 症例対照研究のためエビデンスレベルは高くありませんが、早期離乳は食物アレルギー予防のみならず、アトピー性皮膚炎のリスクを下げるかもしれないという結果です。

■ 離乳食に関して、いつどのように始めるかの具体的な方針はともかく、少なくとも一律に離乳食を遅らせるという方針は問題と認識しながら指導する必要があるでしょう。

■ 一部のブログなどで、「WHOでは生後6ヶ月以降に遅らせるように指導している」と記載しているものなどありますが、WHOは「アレルギー予防の観点から遅らせるように指導しているわけではありません」。

■ さらに最近、長期完全母乳はとくにアレルギー疾患発症を減らすわけでもないという報告もあります。

■ また、長期完全母乳も、必ずしもアトピー性皮膚炎の発症を減らさないという結果も報告されています。

■ 卵アレルギーに関しては、条件付きながら生後6ヶ月前後から開始することが最近提唱されました。

■ 一律に早期に離乳食を始めればよいということも難しいのも確かですが、「心配で」離乳食開始時期を遅らせることは、アトピー性皮膚炎・食物アレルギー共に増加させるのかもしれません。

 

 

今日のまとめ!

 ✅生後4-5ヶ月に離乳食を開始してもアトピー性皮膚炎発症率は上がらず、むしろ発症率は4割程度になるかもしれない。

 

* 2017/7/15 一部加筆しました。