受動喫煙は、喘息入院や救急受診を増加させる: システマティックレビュー

Wang Z, et al. Effects of secondhand smoke exposure on asthma morbidity and health care utilization in children: a systematic review and meta-analysis. Ann Allergy Asthma Immunol 2015; 115:396-401.e2. 

喘息発作の誘因としての受動喫煙。

■ 受動喫煙が喘息の悪化要因にあることは論を待たないでしょうが、受動喫煙は、実際に、どれくらい喘息児に悪影響を及ぼしているのでしょう。

 

PECO
P: 受動喫煙曝露に関して小児の喘息増悪を含む喘息重症度を評価した25試験
E: 受動喫煙あり
C: 受動喫煙なし
O: 入院、救急もしくは緊急受診(重篤な喘息症状、喘鳴、肺機能検査結果)

 

結果

受動喫煙曝露のある喘息児は、受動喫煙のない喘息児に比べ入院リスクが約2倍だった(オッズ比[OR]1.85、95%信頼区間[CI]1.20-2.86、P = .01)。

■ 受動喫煙曝露はまた、救急受診や緊急受診リスクを増加させ(OR 1.66、95%CI 1.02~2.69、P = 0.04)、喘鳴症状も増加させ(OR 1.32、95%CI 1.24~1.41、P < .001)、FEV1.0%を低下させた(OR 3.34、95%CI 5.35~1.33、P = .001)。

 

コメント

■ 以前、大気汚染と呼吸器症状に関しての報告をUPしました。

大気汚染の改善は、呼吸器症状も改善させる

■ しかし、受動喫煙のほうも負けず劣らず(むしろ、もっと強力に)喘息発作には悪化要因になることがわかります。

■ 患者さんのご両親に、「PM2.5より、目の前で吸っているタバコのほうが、お子さんの喘息に悪い影響を与えていますよ」とお話しすることがあります。

■ とは言っても、喫煙しているご両親は、「タバコは喘息には悪い」ことは理解されていることは多く、理解していても行動に移せないというジレンマに陥っていることもままあり、禁煙指導は決して簡単ではありません。

 

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