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アレルギー性鼻炎に対して免疫療法をすると、喘息発症が減るのでしょうか? そのテーマに対する検討をご紹介します。

■ アレルゲン免疫療法は、その後の喘息リスクを減らすという報告があります。また、まだ使用できる種類は少ないですが、本邦でも舌下免疫療法が保険適応になってきています。

■ 今回の紹介するのは健康保険のシステムを使って大規模に確認したという後ろ向きコホート試験です。

 

PECO
P: 2005年のドイツの国民健康保険受給者から特定したアレルギー性鼻炎患者118,754例
E: 2006年にアレルギー免疫療法(AIT)を始めている群
C: 2006年にアレルギー免疫療法を受けていない群
O: 2007~2012年の喘息インシデントのリスク(喘息インシデントは2回以上のの医師の診察と、2回以上の吸入ステロイド薬処方と定義)は下がるか

 

Schmitt J, et al., Allergy immunotherapy for allergic rhinitis effectively prevents asthma: Results from a large retrospective cohort study. J Allergy Clin Immunol 2015; 136:1511-6.

結果

■ 2006年にアレルギー免疫療法(AIT)を開始した患者は計2431例(2.0%)であり、2007-2012年から新規に喘息を発症したのは1646例(1.4%)だった。

■ 喘息インシデントのリスクは、2006年にAITを受けた患者は、受けない患者と比較して有意に低かった(リスク比[RR]、0.60; 95%信頼区間[CI]、0.42-0.84)

■ 影響度分析では、皮下免疫療法(RR 0.54; 95%CI 0.38-0.84)と天然アレルゲンによるAIT(RR 0.22; 95%CI 0.02-0.68)で有意な予防的効果を示唆した。

SLIT(舌下免疫療法)滴剤(RR 0.43; 95%CI、0.14-1.33)とSCIT(皮下免疫療法)+SLIT(RR 1.22; 95%CI、0.52-2.99)は統計学的有意差に達しなかった

■ 3年以上のAITは、3年未満のAITより予防効果の傾向があった(RR 0.62; 95%CI、0.39-0.98 対 0.57; 95%CI 0.34-0.94)。

 

アレルゲン免疫療法をうけた患者は受けない患者と比較して喘息発症リスクが0.6倍( 95%CI 0.42-0.84)だったが、舌下免疫療法では有意差なし。

アレルゲン免疫療法(AIT)は、アレルギー性鼻炎のある患者さんの喘息予防に効果的といえる結果です。

■ この喘息予防性効果は天然アレルゲン(粗抗原、という意味?)によるAITで最も強く、アレルギー疾患の初期に開始し、少なくとも3年間続けられなければならないと記載されていました。

■ 本邦では、ようやくダニとスギの舌下免疫製剤が使用できるようになってきていますが、皮下製剤も舌下製剤も種類は限られています。

■ さらに、この研究では舌下免疫療法では十分な効果は認められなかったため、この知見を実臨床に使っていくことはむずかしいかもしれません。しかし、舌下免疫はこれから普及が進んでくるでしょうし、今後の研究結果に注目したいですね。

 

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