アレルゲン免疫療法は、喘息発症リスクを低下させるか?:システマティックレビュー&メタアナリシス

アレルゲン免疫療法は、気管支喘息の発症を減らすのか?

■ アレルゲン免疫療法(皮下・舌下)により気管支喘息の発症を予防できるかに関しては、まだ十分な結論が出ているとはいえません。

■ 有名なのは、2002年の研究でアレルギー性鼻炎の患児に対して花粉皮下免疫療法(SCIT)を行うと喘息発症リスクを減らすというものがあります(J Allergy Clin Immunol 2002;109:251-6.)。

■ しかし、この研究はランダム化はされているものの非盲検研究でした。

J Allergy Clin Immunol 2002;109:251-6.から引用。SCIT群は喘息発症が低下する。

 

■ その後、2015年のSchmittらの後ろ向きコホート研究で、アレルゲン免疫療法(AIT)を開始すると、喘息発症を0.6倍にするかもしれないということ、その効果は3年以上AITをつづけたほうが効果が高い傾向があったとされました。

■ さらに、 812人のアレルギー性鼻結膜炎を持つ小児に対し、雑草の舌下免疫療法を3年間実施し、喘息発症予防に効果があるかを調査した2017年のGAP試験では、喘息発症リスクを低下させなかったが、喘息症状のリスク・喘息薬物使用・アレルギー性鼻結膜炎症状のリスクは低下させるという、ちょっとすっきりしない結果となっています。

■ では、最近のメタアナリシスはどのような結果になっているでしょうか。

■ Allergyにメタアナリシスの結果が報告されていましたので共有します。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

アレルゲン免疫療法の喘息発症予防効果を評価したランダム化比較試験・非ランダム化介入研究18件のメタアナリシスを実施した。

 ✅ アレルゲン免疫療法後の喘息発症リスクが25%有意に減少した(RR 95%CI 0.75; 0.64-0.88)。

 ✅ アレルゲン免疫療法による有意な喘息発症予防効果は、小児(RR 0.71; 95% CI 0.53-0.96)、3年間の治療終了時(RR 0.64; 95% CI 0.47-0.88)、単感作(RR 0.49; 95% CI 0.39-0.61 )で示された。

Instagram:2ヶ月で10000フォロワーを超えました!!!

Xでフォローしよう