小児のMRI鎮静における塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)点鼻の有効性: ランダム化比較試験

Zhang W, et al., Comparison of rescue techniques for failed chloral hydrate sedation for magnetic resonance imaging scans--additional chloral hydrate vs intranasal dexmedetomidine. Paediatr Anaesth 2016; 26:273-9.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26714442

 


先日の抱水クロラール(エスクレ)の鎮静成功率に引き続き、MRI実施時における小児の鎮静に関する論文です。

抱水クロラール(エスクレ)の鎮静成功率と鎮静失敗の要因: 後ろ向き症例集積研究

塩酸デクスメデトミジン(商品名プレセデックス)は、すでに本邦でも認可がおりている鎮静剤ですが、本邦では集中治療のセッティングでしか使用できないようです。

エスクレで鎮静できなかった児に対し、プレセデックスを追加で使うと安全に効果的な鎮静できるかを検討した研究をご紹介いたします。


 

P: 抱水クロラール 50mg/kgで適切に鎮静できなかった生後1-6ヵ月の150人

E1: 塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)点鼻 1 mcg/kg 追加 (L群)

E2: 塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)点鼻 2 mcg/kg 追加 (H群)

C: 抱水クロラール25 mg/kg追加(C群)

O: 追加鎮静の成功率

 

 

 結果

 

追加鎮静薬の鎮静成功率は、C群40人(80%)、L群47人(94%)、H群49人(98%)であり、H群はL群より有意に追加の鎮静に成功した(P < 0.01)

鎮静誘導時間に有意差はなかったが、覚醒時間は、L群がC群やH群より有意に短かった(P < 0.01)

血行動態や低酸素血症に対する副作用は、観察されなかった。

 

 

コメント

 

塩酸デクスメデトミジン点鼻は、MRI検査の鎮静に有効であり、用量依存的に鎮静されるようだと結論されていました。

塩酸デクスメデトミジンは鎮痛性かつ鎮静性があるα2受容体アゴニストだそうで、本邦でも集中治療に限定して認可されているそうです。

もし安全に使用できるなら、オプションとして使えるようになればいいですね。

 

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