食物アレルギーのある児の、きょうだいのスクリーニング検査は控えるべき: コホート研究

Gupta RS, et al. Food Allergy Sensitization and Presentation in Siblings of Food Allergic Children. J Allergy Clin Immunol Pract 2016; 4:956-62.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27421900

 

食物アレルギーがあるお子さんの次のお子さんは、アレルギー検査を事前にしないといけない?

食物アレルギーのある児に次のお子さんが生まれたとき、「食物アレルギーが心配なので調べてください」という受診は決して少なくありません。

さて、スクリーニングをするのが正しいのでしょうか。

 

P: Chicago Family Cohort Food Allergy studyに参加した小児2834人のうち、きょうだいが少なくとも一人以上持っている0-21歳の児1120人

E: -

C: -

O: 食物アレルギーのある児のきょうだいに食物アレルギーがどれくらいあるか

 

 

食物アレルギーのある子のきょうだいの検査をして、その陽性率を調査。

 

感作に関しては、9種類の食物アレルゲン(卵白、ゴマ、ピーナッツ、大豆、牛乳、エビ、クルミ、タラ、小麦)に対する特異的IgE抗体価と、9つの食物アレルゲンエキスに対する皮膚プリックテスト(牛乳、卵白、大豆、小麦、ピーナッツ、クルミ、ゴマ、魚混合物[タラ、ヒラメ、オヒョウ、サバ、マグロ]、甲殻類[ハマグリ、カニ、カキ、ホタテ、エビ])が調べられ、それぞれ≧0.35 kU/L、コントロールより大きいor/and≧3mmが陽性と判断された。

IgE依存性食物アレルギーは病歴から判断され、食物経口負荷試験(OFC)は、確認のために実施されなかった。

食物アレルギー児のきょうだいの33.4%には、食物に対する感作も臨床症状も認めなかった

きょうだいの53%は、血清特異的IgEもしくは皮膚プリックテストが陽性だったが、食物アレルギー症状はなかった

きょうだいの13.6%は、感作陽性かつ同じ食物に対し臨床的な食物アレルギーが認められた。

牛乳アレルギーが最も多く(5.9%)、次いで卵アレルギー(4.4%)、ピーナッツアレルギー(3.7%)と続いた。

きょうだい数、母乳栄養、喘息、湿疹、皮膚感染症、ネコ飼育、イヌ飼育、年齢、一般的な風邪、RSウイルス、父のアトピー、母のアトピー、性、世帯収入、抗生物質投与歴、人種、保育所通園の因子で調整された多項回帰では、喘息の既往(RRR、4.14; 95%CI、2.04-8.59; P < .01)、湿疹(RRR、3.60; 95%CI、2.04-6.34; P < .01)は、きょうだいにおける食物アレルギーのリスク増加と有意に関連していた。

喘息は、感作を有意に伴わなかったにもかかわらず、湿疹は感作(RRR、1.66; 95%CI、1.12-2.45、P < .05)を有意に関連していた。

 

病歴がなければ、検査はしないほうがよいようだ。

 

食物アレルギーにおける大規模コホートにおいて、感作は少なくないものの、きょうだいにおける臨床的な食物アレルギー率は少なく、病歴のないきょうだいにおける食物アレルギースクリーニングは不適切だと結論されていました。

とはいえ、湿疹と喘息の既往は食物アレルギーのリスクを上げていましたので、本人に湿疹や喘息がある場合はスクリーニングも考慮、と考えればいいのかと思いました。

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