シナモンシュガー・スクラブによる接触性皮膚炎: 症例報告

”オーガニック”という言葉には安全な印象を持ちがちですが、アレルギーではそうもいえないようです。

■ "オーガニックな”というと”安全なもの”と思いがちですが、必ずしもそうではないですよという報告です。

■ 世の中には、”シュガースクラブ”だけでなく”塩スクラブ”というものがあるそうです(医療的、というわけではありません)。

 

* 症例報告なのでPECOはなし。

 

Admani S, et al. Cinnamon Sugar Scrub Dermatitis: "Natural" Is Not Always Best. Pediatr Dermatol 2017; 34:e42-e3.

症例

■ 症例はアトピー性皮膚炎が悪化して受診した16歳女児。

■ 過去、最も持続的に悪化していた部位は肘窩・膝窩であるにもかかわらず、受診前の夏季の3ヶ月間の悪化部位は、主に顔面、頸部、上背部の紅斑だった。

■ 紅斑の分布から、フレグランスや防腐剤対するに接触アレルギーが疑われパッチテストを施行された。

■ 96時間のパッチテストの結果、フレグランス混合物に対する反応が2+、tixocortol pivalateに対する反応が1+だったため、パーソナルケア用品を再調査された。

■ 以前にアトピー性皮膚炎を市販のヒドロコルチゾンで治療したため、ttixocortol pivalateに対するパッチテストが陽性になったと考えられた。

■ さらに、彼女の祖母が勧めた、ホームメイドのシナモン粉とグラニュー糖を含む「all natural」な自家製のシナモンシュガー洗浄を使用していて、炎症を起こした皮膚をピーリングしていることがわかり、しかも彼女の症状がそのシナモンシュガーを使用しはじめた数週間以内に始まっていた。

■ シナモンシュガーを回避(洗浄中止と家庭のシナモン・ベースのフレグランスを除去)してから症状は劇的に改善した。

 

 

”自然成分であれば安全というわけではない”とまとめられましょう。

 ■ ”自然成分であれば安全というわけではない”のは、ピーナッツオイルを塗っていたお子さんにピーナッツアレルギーの発症が多かったという報告からもわかります。

■ フレグランス混合物は、cinnamol(シナモンの主構成要素)として知られる cinnamic aldehydeを含有する各々の8種類の化学物質から成るそうで、Cinnamic alcohol, eugenol, isoeugenolは、フレグランス混合物(パッチ試験で使われる標準アレルゲン)とシナモン・スパイスに共通だと述べられていました。

■ シナモン成分とフレグランスに交差抗原があるといえるでしょう。

■ 日本でも、小麦成分の含有された石鹸で小麦アレルギーが頻発したという報告があり、注意して診ていく必要があると思います。まあ、食べ物はあくまで食べましょうということでしょうか、、

Instagram:2ヶ月で10000フォロワーを超えました!!!

Xでフォローしよう