ベビーパウダー(タルカムパウダー)は、おむつ皮膚炎の予防に有効なのか?
■ J&J社のベビーパウダー(タルカムパウダー;日本で使われることの多いコーンスターチとは異なる)が、米国・カナダで販売中止になるそうです。
■ このベビーパウダーの問題に関しては、かなり昔から論じられていたようですが、最近のコホート試験をまとめた研究ではそのリスクは有意ではなかったとされています。
■ 一方で、症例対照研究では卵巣がんのうち、漿液性がんのリスクを(少し)あげるのではないかというメタアナリシスもあります(Eur J Cancer Prev 2018; 27:248-57.)。
■ それらの問題とは別に、小児ではおむつかぶれにベビーパウダーを使用する場合があり(最近はほぼ使われなくなりましたが)、実際、その効果を示唆した報告もあります(Pediatr Dermatol 1984; 1:322-5.)
■ しかし最近になって、酸化亜鉛の軟膏(亜鉛華軟膏が中心)よりベビーパウダーの効果が落ちることが報告されるようになりました。
■ さらには、『おむつ皮膚炎の予防にはむしろ有害なのでは』というデータすらあります。
■ そこで、このテーマに関する報告をご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
タイの生後1~24ヶ月小児1153人に対し、るおむつ皮膚炎の有病率と関連する危険因子に関するアンケートによる横断研究を実施したところ、
✅ おむつ皮膚炎の発症と統計的に有意な関連を示した危険因子は、i)おむつ交換回数が1晩に3回未満であること、ii)おむつ皮膚炎の既往歴、iii)布おむつの使用、iv)おむつの部分にタルカムベビーパウダーを外用していることだった。
スポンサーリンク(記事は下に続きます)