JAK阻害薬は円形脱毛症に有効か?
■ 円形脱毛症の 生涯有病率は決して低くなく、多発性となると特に、生活の質が大きく阻害されます。
■ そのような背景の中、最近、アトピー性皮膚炎に使用されるようになった内服JAK阻害薬が、円形脱毛症に有効としてFDAに承認されたという報道がありました。
■ その根拠となったと考えられるランダム化比較試験の結果が、NEJMに公開されていますので、簡単に解説し共有します。
※日本において、内服JAK阻害薬は円形脱毛症に保険適用はありません。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
重症円形脱毛症の成人を対象としたランダム化プラセボ対照第3フェーズ試験(BRAVE-AA1試験・BRAVE-AA2試験)において、バリシチニブ4mg1日1回、バリシチニブ2mg1日1回、プラセボにランダム化し、36週間後の効果(SALTスコア20以下)を比較したところ、
✅ 36週目のSALTスコアが20以下となった患者の推定率は、BRAVE-AA1ではバリシチニブ4mgで38.8%、バリシチニブ2mgで22.8%、プラセボで6.2%、BRAVE-AA2ではそれぞれ、35.9%, 19.4%, 3.3%だった。
✅ 痤瘡、クレアチンキナーゼ値上昇、LDL・HDLコレステロール値の上昇は、プラセボと比較してバリシチニブでより多かった。