小児虫垂炎の画像検査は超音波のみにしても良いか?

Bachur RG, et al. Effect of Reduction in the Use of Computed Tomography on Clinical Outcomes of Appendicitis. JAMA Pediatr 2015; 169:755-60.

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■ 虫垂炎に関し、画像検査を行うのが一般的です。

■ 最近は、抗生剤加療も脚光をあびていますので、「疑わしきは切除」ばかりではなくなっているのも確かでしょう。

■ 昔は自分で超音波検査(US)を実施していましたが、当院は超音波検査の先生が頼りになるので、お願いしています。では、虫垂炎の描出に関し、CTとUSの感度・特異度の研究はいくつもありますが、最近の趨勢はどうでしょうか。

PECO
P:2010年1月1日から2013年12月31日のPediatric Health Information System管理データベースを確認し、米国の小児医療機関35施設に、虫垂炎の診断で救急診療部(ED)に受診した、もしくは虫垂切除を受けた小児52153人
E:虫垂炎の超音波検査(US)とCTの利用における傾向
C:-
O:陰性虫垂切除、虫垂穿孔、3日間の救急治療部(ED)再受診率の変化

 

結局、何を知りたい?

 ✅虫垂炎の画像検索に、CTと超音波検査に違いがあるかとうことを知ろうとしている。

 

結果

2010年から2013年にかけて、USの使用は、46%増加した(2010年の24.0%から2013年の35.3%; absolute difference, 11.3%; adjusted test for linear trend, P = .02)。

CTの利用は、48%減少した(2010年の21.4%から2013年の11.6%;absolute difference, .9.8%; adjusted test for linear trend, P < .001)。

文献より引用。CTのみが減少し、USのみが増えている。CTもUSもしない場合も多い。

■ 陰性虫垂切除(切除した虫垂が虫垂炎でなかった)の率は、2010年の4.7%から2013年の3.6%に減少した(test for linear trend, P = .002)が、穿孔率(2010年の32.3%から、2013年の31.9%)とED再診率(2010年と2013年の5.6%)は変化しなかった(adjusted tests for linear trend, P = .64 and P = .84, respectively)。

結局、何がわかった?

 ✅虫垂炎の画像検査は、CTから超音波検査に変化してきているが、穿孔率(やぶれてしまう)も、救急外来再診率も変化しておらず、デメリットはなかった。

 

コメント

■ 研究期間中、虫垂炎が疑われる小児に対し、大幅にCTの利用が減少したがUSの使用は増加し、一方でその変化は虫垂穿孔や救急外来再診の頻度といった重篤な転帰にいたる率を変えず、陰性虫垂切除率は少し改善した、とまとめられていました。

■ 最近、小児の虫垂炎疑いの患者さんにおいて、USを施行して可能性が高いと考えて外科に紹介させていただいたとき、追加してCTを施行されていました。

■ USで虫垂炎の疑いが濃厚でもCTを追加する必要性があるのかどうか、もしくは一般的な趨勢としてUSのみではいけないのかどうかを確認しようとして検索して見つけた文献です。

■ もちろん、米国と本邦を横並びで考えなくてもいいのかもしれませんので一概に言えませんが、自分自身の行動としては、US(+血液検査)の段階で疑わしければ外科紹介させていただくでいいかなあと思いました。もちろん、最終的な手術やCTの追加の可否やは外科の先生の御判断になるのは当然です。

今日のまとめ!

 ✅虫垂炎の画像検査は、CTから超音波検査に移行しつつある。虫垂穿孔率はかわらず切除した虫垂が虫垂炎でなかったという症例もむしろ少なくなった。