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Pretolani M, et al. Effectiveness of bronchial thermoplasty in patients with severe refractory asthma: Clinical and histopathologic correlations. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2017; 139:1176-85.

 薬物を使用しない重症難治喘息治療。

■ 今、喘息関連の論文を沢山読まないといけなくて、週末も喘息に関する論文紹介を続けます。ややマニアックな論文が多くて、もっと臨床向けのほうが皆さんも楽しいかもしれないですし、実は私も基礎研究の論文は苦手です。でも、基礎研究があるからこその臨床研究でもありますから、避けては通れません。

■ ただ、最近、夜間の外勤が何故か一番自分の家から遠いところがあてられてしまい、さらにキツイ毎日になってます。そのため、ここしばらく急いで翻訳したものをUPしていましたのでちょっと誤字脱字が目立っていました。最近のUPした文章はたまに修正しています。今後気を付けます。

 

■ さてそれはさておき、気管支サーモプラスティは新しい喘息治療法であり、薬物を使わない物理的な治療です。

■ 2015年より重症喘息に対し保険適応となっており、高額であるものの約2か月の治療で終わるそうです。

気管支サーモプラスティ

■ まだまだ歴史の浅い治療方法ではありますが、組織学的な変化と臨床症状の相関をみた研究結果がありましたのでご紹介いたします。

 

 

 15例の難治性喘息患者に対し気管支サーモプラスティを行い、気管支生検結果と臨床的な経過を比較した。

背景

■ 気管支のサーモプラスティ(BT)の効果は重篤な喘息患者で報告されているにもかかわらず、それぞれの気管支構造に対する効果は未知数である。

 

目的

■ 我々は、気管支構造に対するBTの効果に関して、重篤な難治性喘息患者でにおける臨床転帰との関連を調査した。

 

方法

■ 15例の重篤な難治性喘息患者から、BTの前と3ヵ月後の気管支の生検標本(n = 300)を、採取した。

■ 免疫染色された切片における気道平滑筋(ASM)領域、上皮下基底膜厚、神経線維、上皮神経内分泌細胞を評価した。

■ 組織病理所見は、臨床パラメータと相関していた。

 

結果

BTは3か月と12ヵ月後に喘息コントロールとQOLを有意に改善し、重篤な喘息増悪回数と経口コルチコステロイド量を減少させた。

■ 3ヵ月後に、臨床的なベネフィットとして、以下の組織的な変化が認められた。

1) ASM(気道平滑筋)領域の減少(BTの前後の中央値:[19.7%; 25~75 IQR; 15.9%~22.4%]& [5.3%; IQR 3.5%~10.1%]; P < .001)

2) 上皮下基底膜肥厚([4.4μm; 25~75IQR 4.0-4.7μm] & 3.9μm; 3.7-4.6μm];P = 0.02)

3) 粘膜下神経([免疫活性 1.0‰; 25~75 IQR 0.7-1.3‰] & [免疫活性 0.3‰; IQR 0.1-0.5‰]; P < .001)

4) ASM(気道平滑筋)関連神経([452.6 免疫反応ピクセル/mm2; 25~75 IQR;196.0-811.2] & [62.7 免疫反応ピクセル/mm2; IQR 0.0-230.3];P = .02)

5)上皮神経内分泌細胞([4.9/mm2;25~75 IQR; 0-16.4/mm2]& [0.0/mm2; IQR 0-0/mm2];P = .02)

■ 組織病理パラメータは、BTの3か月後・12ヵ月後のAsthma Control Testスコア、喘息増悪数、救急部への来院と相関した(すべてP≦.02)。

 

結論

■ 気管支サーモプラスティ(BT)は、気道狭窄および気管支反応性、特にASM(気道平滑筋)、神経内分泌上皮細胞、気管支神経終末に関与する構造異常を改善させ、重症難治性喘息患者の治療選択肢になりうる。

 

結局、何がわかった?

 ✅気管支サーモプラスティは、臨床的な結果と組織学的な所見が相関していた。

 

 

 気管支サーモプラスティは、難治喘息の治療選択肢として注目されてくるかもしれない。

■ 気管支サーモプラスティをはじめて聞いたときは、大変そうな印象を強く受けたのですが、呼吸器内科専門医の先生から言えば、それほど難しい手技ではないそうです(下記の気管支喘息バイブルより)。

■ もちろん、侵襲がないわけではありませんし、小児科医の私にはちょっと手が出せない治療です。

■ しかし、薬物を使用しない治療として、生物学的製剤とは全く異なるアプローチで、薬剤の減量を目指せるという観点では画期的と言えましょう。

■ 治療費も最終的には少なく済むのではないかという報告も見られるようになり(PLoS One 2016; 11:e0146003.)、今後さらに検証が進んでくると思われます。

 

 

今日のまとめ!

 ✅気管支サーモプラスティの効果は組織学的にも認められ、臨床症状とも相関する。

 

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