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Stokholm J, et al. Azithromycin for episodes with asthma-like symptoms in young children aged 1-3 years: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet Respir Med 2016; 4:19-26.

ジスロマックが、喘息発作に対して効果がある?

■ 以前、アジスロマイシン(ジスロマック)が、非好酸球性喘息発作に効果があるかもしれないという報告をご紹介いたしました。

■ ジスロマックの濫用につながらないよう、よく考えなければならないプラクティスではあるものの、最近小児に関しても同じテーマの報告がされていましたのでご紹介いたします。

 

 

 1~3歳の喘鳴エピソード158回をジスロマック群とプラセボ群に割りあて、治療後の呼吸器エピソードの持続期間を比較した。

背景

■ 細菌およびウイルスは、小児の喘息様症状の急性発症リスクと同様に関連している。そして、そのようなエピソードの治療法として抗生物質を使用することができるかもしれない。

■ 喘息様症状が繰り返し起こる幼児の呼吸器症状の持続時間に対するアジスロマイシンの影響を評価することを目的とし、症状の持続期間を短縮すると仮説を立てた。

 

方法

■ この無作為化二重盲検プラセボ対照試験は、Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood 2010 cohort研究(コペンハーゲンを含む一般的なデンマーク人で構成される出生コホート)から参加した、再発性喘息様症状と診断された1-3歳の小児に対して実施された。

■ 除外基準は、マクロライドアレルギー、心臓、肝臓、神経、腎臓病、各介入前の肺炎に対する、呼吸頻度が毎分50回以上、発熱39℃以上、CRP≧47.20 nmol / L [≥50mg / Lのうち、1つもしくは複数の臨床徴候だった。

■ 少なくとも3日間持続する喘息様症状の各エピソードがある参加者を、1日当たりアジスロマイシン10mg / kg群×3日間群、プラセボ×3日間群にランダムに割り付けた。

■ 各エピソードは、コンピュータで生成された乱数ブロックによってランダムに割り当てられた。

■ 最年少の参加者が3歳に達するまで、調査者と参加者はマスキングされた。

プライマリアウトカムは、治療後の呼吸器エピソードの持続期間であり、前向きの喘息日誌によって検証しポアソン回帰分析で分析された。

■ 主要評価項目が得られなかった、もしくは介入を受けなかった参加者を除き、各プロトコールごとに分析された。

 

知見

■ 2010年11月17日から2014年1月28日まで、72人の喘息様エピソード158回(アジスロマイシン群79回 [50%]、プラセボ群79回 [50%])を無作為に割り当てた。

■ 介入後の呼吸器エピソードの平均持続期間は、アジスロマイシン群3.4日、プラセボ群7.7日だった。

アジスロマイシンは、呼吸器エピソード持続期間を63.3%(95%CI 56.0-69.3; p <0・0001)有意に短縮した。

論文より引用。ジスロマックは治療開始後の呼吸器エピソードを有意に改善。

■ その効果は治療が早期に開始されると大きくなった。すなわち、症状発現から6日より前に介入が開始されると83%短縮されるのに比較し、6日以降に開始されると36%の短縮だった(p<0.0001)

■ 臨床的有害事象に有意差は認められなかった(p = 0.30; アジスロマイシン(最終分析に含まれた78エピソード中18回 [23%])vs プラセボ(79エピソード中24回 [30%])、治療後の耐性菌パターンは調査しなかった。

 

解釈

■ アジスロマイシンは、幼児における喘息様症状症状の発症継続期間を短縮し、この薬剤が喘息増悪の急性管理における役割が果たすことができることを示唆した。

■ 炎症 vs 抗菌の問題を解決するためには、さらなる研究が必要である。

 

結局、何がわかった?

 ✅1~3歳の喘鳴発作時にジスロマックを3日間投与すると、喘鳴エピソードを63.3%短縮し、介入までの期間が短いほど効果が高かった。

 

 

 重篤なエピソードのある喘息発作時の対処法として、ジスロマックを考慮しても良いかもしれない。

■ 最初にあげた、成人喘息発作に対するジスロマックの効果をみた研究では、研究参加者全体での差は観察されず、非好酸球性喘息の参加者で確認すると有意差があるという結果でした。

1~3歳の小児喘息では、好中球性喘息が多いため、層別化しなくても有意差がでたのかもしれません。

■ また、最近、RSウイルス感染時のジスロマックの使用が、喘息への移行を減らす可能性も報告されています。

■ しかし一方、小児期の抗生剤の使用は、喘息のみならず、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症リスクを上げることも報告されています。

■ 一律に抗生剤投与することが良いとは全く思いませんが、繰り返す下気道感染にもジスロマックが効果がある可能性が指摘されており、重篤化しやすいエピソードがあるときはオプションとして持っておいて良い対策法かもしれません

 

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今日のまとめ!

 ✅幼児の喘息発作に一律に抗生剤を使用することは、アレルギーを増やす結果になる可能性はあるが、喘息発作時のジスロマックをオプションとして持っておいて良いかもしれない。

 

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